2023年 調査報道大賞
調査報道大賞とは
社会問題をジャーナリストの調べで明らかにする調査報道。そのすぐれた成果をたたえ、
広く知らせることを通じ、市民が民主主義を担うため欠かせないジャーナリズムを強くする。
直近の報道に限らず、時を経て評価された報道、長期的に評価されるべき報道も対象とする。
【実行委員会から】
調査報道は、報道機関やジャーナリストが独自の調査によって問題を発掘する報道です。かつてのウォーターゲート事件報道や田中角栄金脈研究、近年では東京医大の女性差別入試(第1回調査報道大賞)、国土交通省による公的統計の不正書き換え(第2回同)など、大きな社会的な影響をもちます。一方で、取材には手間も時間も費用もかかることからその取り組みには困難が伴います。
そこですぐれた調査報道を顕彰し、その社会的意義を広めるとともに、現場で取り組む取材者を励ますために、報道実務家フォーラムとスローニュースが2021年創設したのが、この調査報道大賞です。調査報道が実を結んだり、社会にその底力を感じさせたりするには時間を要する場合があります。そのため、応募作はこの1年の報道に限定せず、過去3年以内に発表されたもの、さらには、掘り起こした社会問題が過去3年の間に行政や捜査の動きによって顕著になった–など、時間を経て意義が明らかになる報道も対象としていることが、この賞ならではの特徴となっております。
この賞によって、調査報道に地道に取り組むジャーナリストたちに光を当て、日本のジャーナリズムをさらに盛り上げていきたい所存です。
【選考委員】
-
ジャーナリスト
江川紹子 -
© 森清
作家
塩田武士 -
ジャーナリスト
長野智子 -
東京工業大准教授
西田亮介 -
情報公開クリアリングハウス理事長
報道実務家フォーラム理事
三木由希子
【応募要項】
(2023年の募集は既に終了いたしました)
- ■応募条件
- ジャーナリストの調査で分かったことを報道する調査報道であって、次のいずれかにあてはまるもの。
- 2020年4月1日以後に発表された
- 2020年4月1日以後に成果が顕著になった(10年前の報道の意義が、2020年4月以後の行政や司法の動きであらためて明らかになったなど。例として、1988年に毎日新聞が報じた薬害エイズ問題が、1996年以後の当局の動きで注目され、再評価されたというようなケース)
- 自薦他薦いずれも可。
- 書籍、映画は対象としない。
- ■応募の仕方
- 下のボタンから応募フォームに入り、記入・送信する。
- 記事タイトル
- 媒体
- 発表年月日
- 報道の内容(30字以内)
- 推薦理由(300字以内)
- とくに、時間が経って成果が顕著になった、注目されたという理由の場合は、その説明(50字以内)(例:「○○事件のXX年X月の立件により、YY年Y月の本報道が正鵠を射ていたことがあらためて明らかになり、意義が注目された」「△△法の改正がなされ、…」など)
- 記事・番組などのリンクがあればリンク、ない場合は簡潔な内容説明。
報道内容資料(記事PDF、動画ファイル)がある場合はご用意ください。
★応募フォーム内のリンクからアップロードをお願い致します。 - なお、推薦者の名前は外部に公表しません。
【スケジュール】
- ■選考・発表
- 募集開始:2023年3月1日(水)
- 最終応募締め切り:2023年4月1日(土)
- 報道実務家フォーラム参加経験(2017年以後)のある報道実務家による投票:5月中を予定
- 上記選考委員による最終選考会:6月〜7月を予定
- 発表:2023年7月を予定。
- 表彰結果、表彰式の開催詳細等、分かり次第、報道実務家フォーラムホームページにてお知らせいたします。
- 発表:2023年8月9日「調査報道大賞」2023の授賞7作品を発表いたしました
■主催
特定非営利活動法人報道実務家フォーラム
スローニュース株式会社
【問い合わせ】
報道実務家フォーラム
ijaward@j-forum.org
Design by Iwaki Maki
報道実務家フォーラム事務局長・スローニュース代表よりコメント
調査報道大賞実行委員長・報道実務家フォーラム事務局長 澤 康臣
記者が自ら動いて掘り下げ、そうして初めて明るみに出る社会の問題や不正。そんな調査報道は社会を動かす市民の力になります。これには手間暇がかかり、コストもかかり、しかも成功する保証はありません。でも、そんな取材に各地の新聞、放送、デジタルメディアの記者たちが静かに粘り強く取り組んでいるのです。そのことが、これまで2回の調査報道大賞を通じてはっきりと分かってきました。そのような良い報道を増やしていくのは、ほかならぬ私たちです。良い仕事をしている記者たちを励まし、元気づけ、「自分もやってみよう」と思う記者をさらに増やす——この社会のジャーナリズムを、そうやって盛り上げていきましょう。
スローニュース代表 瀬尾 傑
時間をかけた地道な活動により知られざる事実を発掘する調査報道は、社会課題を解決する強力な力を持っています。その価値を調査報道大賞の受賞作が毎年、示してくれています。残念ながらビジネスモデルの変化や情報公開の逆行など、取材をめぐる環境はさらに厳しくなっています。その中で、新しい問題に挑もうと汗をかく現場のジャーナリストを励ますためにも、この賞を盛り上げていきたいと思います。心に残った作品、すぐれた作品を推薦いただきますようお願いします。