報道実務家フォーラム in 九州2025 講座詳細・講師紹介

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2月22日(土)

13:00〜14:20
講座① 水俣病環境省マイクオフ問題こう報じた

2024年5月の水俣病犠牲者慰霊式後に水俣市であった伊藤信太郎前環境相との懇談で、被害者団体が発言している最中に環境省職員がマイクの音を切り発言を遮断。後日、伊藤氏が被害者団体側に謝罪する事態に発展した。当初、全国メディアが後塵を拝した環境省の不祥事を地方紙はどう報じたのか。一連の経緯を振り返ると、国が進める水俣病対策の「地金」が見えてくる。

東誉晃(ひがし・たかあき) 熊本日日新聞編集局地域報道本部社会担当記者

講師
東誉晃(ひがし・たかあき) 熊本日日新聞編集局地域報道本部社会担当記者

1996年生まれ。熊本市出身。 2019年熊本日日新聞社入社。運動部、阿蘇総局を経て、2022年から現職。水俣病やハンセン病、戦争を取材。

永山一樹(ながやま・かずき) 南日本新聞社編集局報道部記者

講師
永山一樹(ながやま・かずき) 南日本新聞社編集局報道部記者

1985年鹿児島県生まれ。2010年南日本新聞入社。警察や司法担当、奄美総局、金融担当、運動部などを経て2023年から報道部で安全保障の取材を担当。

14:40~16:00
講座➁ ローカルメディアは連携できるか

読者の「知りたい」に応える報道に取り組むローカルメディア連携の枠組み「JOD(Journalism on Demand)パートナーシップ」。2018年夏に発足し、現在は地方紙を中心に全国38媒体が参加しています。九州では熊本日日・南日本・宮崎日日・西日本の4紙が合同で「九州男児」や「子育て支援」「方言」などさまざまな切り口で企画に取り組んできました。事例などから、さらなる取り組みの可能性を考えます。

福間 慎一(ふくま・しんいち) 西日本新聞社編集局報道センターデスク兼記者

講師
福間 慎一(ふくま・しんいち) 西日本新聞社編集局報道センターデスク兼記者

1977年福岡県生まれ。2001年西日本新聞社入社。ローカルメディア連携の枠組み「JODパートナーシップ」の事務局。自社ではデジタルのサービス「西日本新聞me」編成や「あなたの特命取材班」サブデスク、「やさしい日本語」での記事発信などを担当。

赤間早也香(あかま・さやか) 南日本新聞社編集局文化生活部記者

講師
赤間早也香(あかま・さやか) 南日本新聞社編集局文化生活部記者

1983年生まれ、鹿児島市出身。2006年に南日本新聞社入社。主に、原発やジェンダー問題、戦争などのテーマを取材。報道部やデジタル編集部で約2年間、九州各紙との連携取材に取り組む。

新坂英伸(にいさか・ひでのぶ) 宮崎日日新聞社高鍋支局長

講師
新坂英伸(にいさか・ひでのぶ) 宮崎日日新聞社高鍋支局長

1981年宮崎県生まれ。2003年宮崎日日新聞社入社。報道部、小林支局などを経て2022年から始まった「SNS特報班」の担当デスク。24年4月から現職。

16:20~17:40
講座③ 異形の選挙取材 2024兵庫県知事選

パワハラ疑惑告発文書問題で現職が失職したことに伴う兵庫県知事選(2024年11月17日投開票)は、投票率が前回を大きく上回る盛り上がりを見せた一方、SNS上では真偽不明の投稿も拡散されました。ネット空間で新聞やテレビは「オールドメディア」とも呼ばれ、「真実を隠している」と非難する声も目立ちました。地元紙・神戸新聞の行政担当デスクとして選挙取材に携わった永田憲亮さんに、〝脱法〟の候補者、SNSの扇動とさらし、記者を守る―などをキーワードに、現場の取材で何が起きたか、ネット空間で何が起きたか、編集局幹部はどう対応したかなどをご報告いただきます。

永田憲亮(ながた・けんすけ) 神戸新聞社編集局報道部次長

講師
永田憲亮(ながた・けんすけ) 神戸新聞社編集局報道部次長

1974年、神戸市生まれ。98年、神戸新聞社入社。兵庫県警キャップ、兵庫県政キャップなどを経て、行政デスク。事件・司法デスクとして担当した調査報道「神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄スクープと一連の報道」が2023年度の新聞協会賞や調査報道大賞などを受賞した。

2月23日(日)

10:00~11:20
講座④ 刑事裁判記録の入手方法

「あの事件の詳しい経緯を知りたい」。民事裁判の記録は一審が行われた裁判所に保管されていて誰でも閲覧できますが、過去の刑事裁判の記録はどこにあって、どうすれば閲覧できるかご存じですか?東京新聞の記者で、東京地検特捜部・司法担当時代に、刑事確定記録から安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の問題をひもといて追及した小沢慧一さんに、具体的な実践例を通して教えていただきます。

小沢慧一(おざわ・けいいち) 東京新聞編集局社会部記者

講師
小沢慧一(おざわ・けいいち) 東京新聞編集局社会部記者

コスモ石油株式会社を経て2011年に中日新聞社(東京新聞)入社。水戸支局、横浜支局、東海報道部(浜松)、名古屋社会部、東京社会部東京地検特捜部・司法担当、同部科学班を経て、現在は防災担当・東京ニュース担当など。30年以内に「70~80%」とされる南海トラフ地震の発生確率が「水増し」されているという問題を追った連載や、一連の報道を書籍化した「南海トラフ地震の真実」は、20年に「科学ジャーナリスト賞」、23年に「第71回菊池寛賞」、24年に「新潮ドキュメント賞」をそれぞれ受賞。趣味はオートバイ、プラモデル、バルーンアートなど。

11:40~13:00
講座⑤ ネット攻撃どう対応? タイムス・新報の「炎上記者」が対談

 記者に対するインターネット上の誹謗中傷が大きな問題となっています。グーグル日本法人の研究プロジェクトでは、調査したジャーナリストの2割強がSNSNなどを通じて脅迫や恐喝などの誹謗中傷を受けたことがあると回答しています。ジャーナリストへの中傷が増えれば、現場の記者の取材活動の萎縮につながることが懸念され、メディア全体への信頼性が低下する恐れもあります。
 こうした状況に報道実務家である私たちはどう向き合っていけばいいでしょうか。この講座では国内メディアの中でもひときわネット攻撃を受けてきた沖縄の県紙、沖縄タイムスと琉球新報の記者に実体験を語っていただき、問題にどう対応していくのか考えていきたいと思います。

阿部岳(あべ・たかし) 沖縄タイムス編集委員

講師
阿部岳(あべ・たかし) 沖縄タイムス編集委員

1974年東京都生まれ。1997年沖縄タイムス入社。現在編集委員。主に差別や基地の問題を取材する。著書『ルポ沖縄 国家の暴力 米軍新基地建設と「高江165日」の真実』(朝日文庫)、三浦英之氏との共著『フェンスとバリケード 福島と沖縄 抵抗するジャーナリズムの現場から』(朝日新聞出版)。Twitter:@ABETakashiOki YouTube:阿部岳Tube

南彰(みなみ・あきら) 琉球新報記者・編集委員

講師
南彰(みなみ・あきら) 琉球新報記者・編集委員

1979年、神奈川県生まれ。2002年、朝日新聞社に入社し、2008年から東京政治部・大阪社会部で政治取材を担当。2018年9月から2年間、新聞労連委員長・日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)議長を務める。2023年10月、朝日新聞を退職。同年11月から琉球新報で記者・編集委員。 著書に『絶望からの新聞論』(地平社、2024年)、『報道事変』(朝日新聞出版、2019年)、『政治部不信』(同、2020年)、『黙殺される教師の「性暴力」』(同、2022年)など

14:00~15:20
講座⑥ 鹿児島県警不祥事追及の舞台裏 内部告発者をどう守るか

底なしの様相を呈した、鹿児島県警による不祥事隠蔽疑惑。一連の問題を他のメディアに先駆けて追及し続けてきたニュースサイト「HUNTER」(福岡市)代表兼記者の中願寺純則さんは昨年4月、元巡査長による守秘義務違反事件の関係先として鹿児島県警の家宅捜索を受けました。そして5月末、県警は内部の不祥事をまとめて報道機関に送った前生活安全部長の文書を「公益通報ではない」とし、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕しました。県警の行為は、自分たちの不正を追及する報道機関を強制捜査し、内部告発者を逮捕することで批判を封じようとした疑いが濃厚です。不都合な疑惑を告発された側が「公益通報ではない」と決めつけて強権を行使する行為は、告発者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法に反しないのか―。中願寺さんに報告していただきます。

講師
中願寺純則(ちゅうがんじ・すみのり) ニュースサイト「HUNTER」代表兼記者

福岡市を拠点にするニュースサイト「HUNTER」の代表者。政治の世界から報道へ転じ、地元メディア在籍時から独特の切り口の調査報道で報道各社の記者を唸らせ続けてきた。2011年3月10日にスタートした「HUNTER」は原発関連記事でスクープを連発。同サイトの報道を新聞各紙が追う状況が続いている。「報道は権力に対する番犬たれ」がモットー。

タイムテーブル

2月22日(土)

12:30 開場

13:00
講座①水俣病環境省マイクオフ問題こう報じた 熊本日日新聞編集局地域報道本部社会担当記者 東誉晃さん、南日本新聞社編集局報道部記者 永山一樹さん

14:20 休憩(20分)

14:40
講座②ローカルメディアは連携できるか 西日本新聞社編集局報道センターデスク兼記者 福間 慎一さん、南日本新聞社編集局文化生活部記者 赤間早也香さん、宮崎日日新聞社高鍋支局長 新坂英伸さん

16:00 休憩(20分)

16:20
講座③異形の選挙取材 2024兵庫県知事選 神戸新聞社編集局報道部次長 永田憲亮さん

17:40 移動(50分)

18:30
懇親会@西新

2月23日(日)

09:30 開場

10:00
講座④刑事裁判記録の入手方法 東京新聞編集局社会部記者 小沢慧一さん

11:20 休憩(20分)

11:40
講座⑤ネット攻撃どう対応? タイムス・新報の「炎上記者」が対談 沖縄タイムス編集委員 阿部岳さん、琉球新報記者・編集委員 南彰さん

13:00 休憩(60分)

14:00
講座⑥鹿児島県警不祥事追及の舞台裏 内部告発者をどう守るか ニュースサイト「HUNTER」代表兼記者 中願寺純則さん

15:20 終了