2024年 調査報道大賞
調査報道大賞とは
社会問題をジャーナリストの調べで明らかにする調査報道。そのすぐれた成果をたたえ、
広く知らせることを通じ、市民が民主主義を担うため欠かせないジャーナリズムを強くする。
直近の報道に限らず、時を経て評価された報道、長期的に評価されるべき報道も対象とする。
【実行委員会から】
調査報道は、報道機関やジャーナリストが独自の調査によって問題を発掘する報道です。かつてのウォーターゲート事件報道や田中角栄金脈研究、近年ではジャニー喜多川氏の性加害、神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄(いずれも昨年の第3回調査報道大賞)や、国土交通省による公的統計の不正書き換え(第2回同)、東京医大の女性差別入試(第1回同)など、大きな議論を起こし、社会の仕組み改善に繋がることもあります。一方で、時間や費用がかかることからその取り組みには困難が伴います。
そこですぐれた調査報道を顕彰し、その社会的意義を広めるとともに、現場で取り組む取材者を励ますために、報道実務家フォーラムとスローニュースが2021年創設したのが、この調査報道大賞です。調査報道が実を結んだり、社会にその底力を感じさせたりするには時間を要する場合があります。そのため、応募作はこの1年の報道に限定せず、過去3年以内に発表されたもの、さらには、掘り起こした社会問題が過去3年の間に行政や捜査の動きによって顕著になった--など、時間を経て意義が明らかになる報道も対象としていることが、この賞ならではの特徴となっております。
この賞によって、調査報道に地道に取り組むジャーナリストたちに光を当て、日本のジャーナリズムをさらに盛り上げていきたい所存です。
【選考委員】
-
フリーアナウンサー
有働由美子 -
ジャーナリスト
江川紹子 -
© 森清
作家
塩田武士 -
東京工業大准教授
西田亮介 -
情報公開クリアリングハウス理事長
報道実務家フォーラム理事
三木由希子
【応募要項】
- ■応募条件
- ジャーナリストの調査で分かったことを報道する調査報道であって、次のいずれかにあてはまるもの。
- 2021年4月1日以後に発表された
- 2021年4月1日以後に成果が顕著になった(10年前の報道の意義が、2020年4月以後の行政や司法の動きであらためて明らかになったなど。例として、1988年に毎日新聞が報じた薬害エイズ問題が、1996年以後の当局の動きで注目され、再評価されたというようなケース)
- 自薦他薦いずれも可。
- 書籍、映画は対象としない。
- ■応募の仕方
下のボタンから応募フォームに入り、記入・送信する。第4回の応募受付は終了いたしました。- 応募フォーム
- 記事タイトル
- 媒体
- 発表年月日
- 報道の内容(30字以内)
- 推薦理由(300字以内)
- とくに、時間が経って成果が顕著になった、注目されたという理由の場合は、その説明(50字以内)(例:「○○事件のXX年X月の立件により、YY年Y月の本報道が正鵠を射ていたことがあらためて明らかになり、意義が注目された」「△△法の改正がなされ、…」など)
- 記事・番組などのリンクがあればリンク、ない場合は簡潔な内容説明。報道内容資料(記事PDF、動画ファイル)がある場合はご用意ください。
- ★応募フォーム内のリンクからアップロードをお願い致します。
- なお、推薦者の名前は外部に公表しません。
【スケジュール】
- ■選考・発表
- 募集開始:2024年3月5日(火)
- 最終応募締め切り:2024年4月1日(月)
- 報道実務家フォーラム参加経験(2017年以後)のある報道実務家による投票:5月中を予定
- 上記選考委員による最終選考会:6月〜7月を予定
- 発表:2024年8月を予定。
- 表彰結果、表彰式の開催詳細等、分かり次第、報道実務家フォーラムホームページにてお知らせいたします。
■主催
特定非営利活動法人報道実務家フォーラム
スローニュース株式会社
【問い合わせ】
報道実務家フォーラム
ijaward@j-forum.org
Design by Iwaki Maki
報道実務家フォーラム事務局長・スローニュース代表よりコメント
調査報道大賞実行委員長・報道実務家フォーラム事務局長 澤 康臣
ネット時代に入って20年以上が過ぎ、私たちが手に取る情報の量は激増しました。でもその中で、権力や経済力、影響力を持つ人たちによる不正や怠慢をあえて明らかにしてくれる情報はそれほど増えているように思われません。事実を一つ一つ慎重に確認し、データをかき集め、背景を掘り下げる仕事、人に会って事情を尋ね、じっくり話を聞く仕事——調査報道はそんな、途方もない手間をかけて手作りされています。それに見合う声援と称賛を送り続けてこそ、こうした価値ある報道も枯れることなく続き、発展していけます。そのための賞がこの調査報道大賞です。どんどん多くの人が参加することで、日本のジャーナリズムはより豊かに実っていくと確信しています。
スローニュース代表 瀬尾 傑
知られざる問題を発掘する調査報道の仕事はときに孤独です。たとえばジャニーズ事務所での性加害報道は、最近まで何十年間も黙殺されてきました。調査報道大賞は、そんなジャーナリストに少しでも光を当てたいと願い運営しています。これまで素晴らしい受賞作、候補作にめぐまれ、日本に価値ある報道が無数にあることを示すことができました。生成AIなどメディアを巡る環境が激変する中でも、その重要性は変わりません。その価値をより多くの方に知っていただき、現場で汗をかくジャーナリストの支えに少しでもなることを願っています。