船行中の船舶を追跡するには

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文:​Global Investigative Journalism Network
翻訳:エァクレーレン

この記事はthe Global Investigative Journalism Network (GIJN)によって公開されました。日本語訳はGIJNのご支援のもと報道実務家フォーラムが公開したものです。貴重な情報を提供してくださり心より感謝申し上げます。

This story was originally published by the Global Investigative Journalism Network.
J-Forum publish the Japanese translation with GIJN’s support. 
We’re grateful to GIJN for offering and allowing to translate it into Japanese. 

 世界の商船隊を合わせると9万隻以上に達する。その位置は綿密に追跡されており、結果として得られたデータは無料で公開されている。

 GIJNでは、船舶(大型ヨット、漁船を含む)を追跡するためのリソースについて、包括的なリストをまとめてみた。

写真キャプション: Kinsey / Unsplash

 船舶がどこから来てどこに向かっているかは、ほぼリアルタイムで知ることができる。また、船舶の所有者を調べ、その情報を取得し、画像を見ることもできる。運搬している貨物コンテナの移動を追いかけるためのツールも存在する。

貨物コンテナや税関コード、船荷証券の追跡については、コロンビア大学でジャーナリズムを教えるジャンニナ・セグニーニ教授によるGIJC19でのプレゼンテーションを見てみよう。また、IJAsia18におけるセグニーニ教授のプレゼンテーション「貨物追跡のための税関用語を学ぶ」も読んでおこう。

@Wondersmith Raeによる「海洋に関するOSINT(オープン・ソース・インテリジェンス):海運に関する情報収集テクニック」は、実例に即して船舶追跡サイトを解説している。

ここをクリックして表示される世界地図を見れば、海上輸送がどれほど盛んに行われているか驚嘆することだろう。

船舶自動識別装置(AIS)を利用した船舶追跡手法の説明を読んでみよう。約18万隻の船舶から送られるAIS信号は、地上局・人工衛星によって毎日監視されている。

無料でも大量の情報を入手することはできるが、まさに現時点での情報や過去に遡った情報など、さらに高度な資料を手にするためには会員登録が必要とされる場合が多い。オプションも価格も多岐にわたっているが、ごく大ざっぱに言えば、会員登録には月2~300ドルかかる可能性がある。画像などの提供に関してジャーナリストへの協力に前向きな事業者もある。

さまざまな形で活用される追跡データ

ウェブサイト『​Marine Traffic』のスクリーンショット 

 船舶追跡データは、船舶の衝突事故を報道する際には、ニュース速報においても調査報道においても必要不可欠である。その一例が、2017年にシンガポール近海で発生した米海軍艦艇と民間船舶の衝突事故に関する、ニューヨークタイムズの検証記事だ。この記事にデータを提供したのは「MarineTraffic」である。

 調査報道記者にとって、海上交通に関するデータは他にも多くの用途がある。例を挙げよう。

  • タイの海産食品産業における奴隷労働を調査する。APのマーサ・メンドーザ記者はPBSによるインタビューのなかで、彼女が同僚とともに「ある冷蔵貨物船に海産食品が積み込まれる様子を動画撮影により記録した」状況を語っている。彼女は続けて、「この貨物船には衛星追跡装置が搭載されており、この装置が探知機に対して一定の間隔で信号を送っていたので、私たちはインターネット経由で同船に注目していた。2週間後に船が港に入るまで追跡した。APは入港する船を待ち受け、海産食品が陸揚げされてピックアップトラックに積み込まれるのを目撃した。それからトラックを工場まで追いかけた」と話す。

原文はこちら:Tracking Ships at Sea
この翻訳はGoogle News InitiativeとGoogle Asia Pacificの支援を受けて行われました。
This translation is supported by the Google News Initiative and Google Asia Pacific.
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