報道実務家フォーラム in 九州2026 講座詳細・講師紹介
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2月21日(土)
13:00〜14:20
講座①埋もれた歴史「戦時下の性暴力」を追う~ジェンダーネットワークを生かして
太平洋戦争終結後すぐ、進駐軍向けの性的慰安施設が日本政府のかけ声で全国各地に開設され、女性たちが差し出されました。沖縄では今も米兵による性犯罪が絶えません。戦後80年の昨年、ジェンダーに関心のある地方紙や全国紙の記者が、戦中戦後の性暴力について勉強会や情報交換を重ね、各地の埋もれた史実を掘り起こし、各媒体で記事化を進めました。連帯企画の取り組みについて報告していただきます。

講師
乾栄里子(いぬい・えりこ) 新聞労連ジェンダー研究部所属、記者
1983年生まれ。新聞労連新聞研修部、新聞労連ジェンダー研究部所属。2020~22年、女性役員枠である「特別中央執行委員」を2期務めた。全徳島新聞労組出身。性暴力や災害とジェンダー、ドメスティック・バイオレンス(DV)などのテーマに取り組む。

講師
慶田城七瀬(けだしろ・ななせ) 琉球新報記者
1979年生まれ。2002年入社。開発事業部、北部報道部、社会部、整理部、政治部のほか総務、読者事業、労組書記長を経てデジタル編集部、現在暮らし報道グループに所属。2021~22年新聞労連沖縄地連委員長。19年に新聞労連女性特別中執が提起した国際女性デーのメディア連携キャンペーンに参加。新聞労連の活動で「失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック」編集にも関わる。関心のある分野は、ジェンダー、SDGs、環境など。趣味はサルサ。
14:35〜15:55
講座② 情報は誰のもの? 「知らせる義務」を果たすために
国民の「知る権利」を保障するために情報公開法が成立して四半世紀余り。情報は市民のものになっているでしょうか。行政機関や報道機関は「知らせる義務」を果たせているでしょうか。福岡県田川地区のごみ処理施設の建設などを巡り情報公開に後ろ向きな同県大任町の姿勢など3年におよぶ取材をまとめた番組「情報は誰のもの?~ごみ処理施設と情報公開~」を制作した記者に取材の舞台裏や見えてきた課題を報告していただきます。

講師
今林隆史(いまはやし・たかふみ) RKB毎日放送報道局報道部記者
1976年福岡市生まれ。2001年入社。ニュース取材や番組制作に携わり、第58次南極観測隊に同行。元JNNソウル特派員。気象予報士・潜水士の資格を持つ。番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(09年)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」で同映像祭 文部科学大臣賞(13年)、「情報は誰のもの?~ごみ処理施設と情報公開~」で第62回ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞(25年)を受賞。
16:10~17:30
講座③ 出版のすゝめ―その調査報道、本にしてみませんか―
その取材、新聞や雑誌、テレビの報道だけで終わらせるには惜しくありませんか?本講座では出版業界の第一線で活躍する編集者の2人がこれまで携わってきたノンフィクション本の制作秘話を紹介しながら「本にしたい調査報道」の境界線を明かします。手がけた調査報道を一冊の本として世に問うための第一歩を提案します。出版界の動向についても語ります。

講師
木瀬貴吉(きせ・たかよし) 出版社「ころから」代表
1967年滋賀県生まれ。早稲田大学第二文学部中退。NGOピースボートや地域紙記者などを経て、2008年に出版業界へ。2013年に2人の仲間とともに出版社「ころから」を設立。これまでに『九月、東京の路上で』(加藤直樹)、『みな、やっとの思いで坂をのぼる』(永野三智)、『大邱の夜、ソウルの夜』(ソン・アラム)など80冊の本を刊行。著書に『本づくりで世の中を転がす~反ヘイト出版社の闘い方』(集英社新書)がある。

講師
青木肇(あおき・はじめ) 講談社ノンフィクション編集チーム編集長
1969年生まれ。1993年講談社入社。週刊誌、月刊誌や単行本編集、現代新書・ブルーバックス両シリーズの編集長を経て、2025年12月よりノンフィクション編集チーム編集長。担当書&携わった本に『スティーブ・ジョブズ』『ネットと愛国』『しんがり』『生き心地の良い町』『資本主義と闘った男』『未来の年表シリーズ』『刑事弁護人』『県立!再チャレンジ高校』『黒い海』など。
17:45〜18:45
講座④ これからどう書く?どう働く?メディア・記者の今と10年後
止まらない読者離れと視聴者離れのただ中にある新聞やテレビなどの伝統メディア。そんな中、記者や編集者たちは悩みながらも有用な報道を届けるためにきょうも奮闘しています。今の仕事をどう実現して、これからの自身のキャリアをどう描くか──。民間企業を皮切りに地方紙、全国紙、巨大テクノロジー企業、そしてテレビ局で経験を積んできた異色の報道人と一緒に語り合い、考えます。

講師
井上直樹(いのうえ・なおき) 日本テレビ報道局 調査報道班
1983年生まれ。2006年鹿児島銀行入行、08年熊本日日新聞、14年西日本新聞、18年からGoogle News Lab。その後日本経済新聞、NHKを経て25年7月から現職。NHKスペシャル「緊迫ミャンマー」への参加や、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)と連携した中国の民主活動家弾圧に関する報道などデータやテクノロジーを使った報道や、ハッカソン企画などに取り組む。熊本県天草市出身。
2月22日(日)
9:30〜10:50
講座⑤ 生成AIを使いこなそう
急速に普及が進んでいる生成AIの先進的な活用事例を紹介します。元静岡新聞社の鈴木誠之さんは調査報道でのAI活用実践として、記者にもできるAIアプリ作成法や効率的な使い方を解説。佐賀新聞社の林大介さんには紙面の全記事をAIに執筆させる「AI佐賀新聞」(2024年8月1日付で試験的に発行)などの取り組みのほか、AI支援ニュース編集アシスタントの取材現場での具体的活用例をご紹介いただきます。

講師
林大介(はやし・だいすけ) 佐賀新聞社統合編集局次長
1976年生まれ、長崎県出身。1996年に佐賀新聞社入社。電算制作部や整理部を経て、2005年から記者。佐賀市、唐津市、玄海町などの行政、司法、県政などを担当し、主に玄海原発をテーマに取材。編集部門のメディア担当として、ウェブサイトの運用に取り組むほか、SNSによるオンデマンド型報道、ファクトチェック、統合編集、生成AIを使った記者業務の効率化などを推進している。

講師
鈴木誠之(すずき・まさし) イマーシブプレス代表/元静岡新聞社編集局社会部長
1975年静岡県生まれ。2000年静岡新聞社入社。社会部長、論説委員などを務め、2025年に退職・独立。生成AI・XR・データジャーナリズムを用いた新しいニュース表現の企画・実装支援に取り組む。
11:10〜12:30
講座⑥ 情報公開道場~開示請求のイロハから裏技まで~
国や地方自治体、独立行政法人などの行政文書を誰もが開示請求できる情報公開制度は、調査報道の強力な武器です。ただ、欲しい情報を引き出し、使いこなすためには工夫が必要です。公文書の開示請求を重ねて、いじめ問題や福岡市政などの問題に迫ってきた若手記者と、情報公開制度に関する著書もあるベテラン記者が参加者とノウハウを語り合い、技を高め合う講座です。

講師
日下部聡(くさかべ・さとし) 毎日新聞論説委員
1993年入社。浦和支局、サンデー毎日編集部、東京・大阪両社会部、デジタル報道センター長などを経て現職。2016年に憲法解釈変更をめぐる公文書問題報道で新聞労連ジャーナリズム大賞とJCJ大賞。16~17年オックスフォード大ロイタージャーナリズム研究所客員研究員。著書に『武器としての情報公開』(ちくま新書)『記者のための情報公開制度活用ハンドブック』(新聞通信調査会)。大阪大人間科学研究科博士前期課程在学中。
13:30〜14:50
講座⑦ 国を動かした粘りの報道~時速194キロ交通死亡事故問題~
時速194キロは故意の危険運転ではないのか―。大分県で2021年に起きた交通死亡事故は当初、事故を起こした男性が過失運転致死罪で起訴されました。より法定刑が重い危険運転致死罪で訴追されなかったのは、適用要件があいまいだったからです。納得できない遺族は2万8千人分の署名を提出。批判を受け、国は次期通常国会で客観的な要件を導入する法改正を目指しています。事故から5年、法の不備を検証した報道をたどります。

講師
羽山草平(はやま・そうへい) 大分合同新聞報道部記者
1983年、大分市生まれ。2008年、大分合同新聞入社。整理部や文化科学部、豊後高田支局を経て17年から現職。県警や司法、教育分野を取材。キャンペーン企画「問う 時速194キロ交通死亡事故」を担当。
15:10〜16:30
講座⑧ ニュース砂漠に挑む市民メディア 屋久島からの報告
報道機関の経営悪化と取材網縮小に伴い、信頼できるローカルニュースが不足・欠如する「ニュース砂漠」が、私たちのすぐそばで静かに、確実に広がっています。手遅れになる前に、「知る権利」に応える「知らせる義務」を果たすために、私たちは何をすべきでしょうか。元新聞記者と地域住民が連携して立ち上げ、調査報道を次々と展開する市民メディア「屋久島ポスト」の挑戦に学び、メディア同士の連携について考えます。

講師
武田剛(たけだ・つよし) 市民メディア「屋久島ポスト」共同代表
1967年生まれ。20年勤めた朝日新聞で写真記者や編集委員として南極や北極で取材し、2012年に退職。世界遺産の屋久島に移住して自然環境をテーマに取材を始めたが、町役場も覗くと不正が次々と発覚。町幹部の旅費不正精算では230万円超が着服され、補助金不正請求事件では国が1668万円の返還命令を出し、さらに町長は交際費で国会議員に高額贈答も。環境取材どころではなくなり、住民有志と調査報道を続けている。
タイムテーブル
2月21日(土)
12:30 開場
14:20 休憩(15分)
15:55 休憩(15分)
17:30 休憩(15分)
18:45 移動(15分)
| 懇親会@西日本新聞会館14階レストラン「ル・ブション」 |
2月22日(日)
09:00 開場
| 講座⑤生成AIを使いこなそう |
10:50 休憩(20分)
12:30 休憩(60分)
14:50 休憩(20分)
16:30 終了