内部告発者との協力
編集:The GIJN Collection
翻訳:エァクレーレン
この記事はthe Global Investigative Journalism Network (GIJN)によって公開されました。日本語訳はGIJNのご支援のもと報道実務家フォーラムが公開したものです。貴重な情報を提供してくださり心より感謝申し上げます。
This story was originally published by the Global Investigative Journalism Network.
J-Forum publish the Japanese translation with GIJN’s support.
We’re grateful to GIJN for offering and allowing to translate it into Japanese.
「内部告発者(ホイッスルブロワー)」、つまり腐敗や違法活動を告発する内部関係者は、あらゆる地域のジャーナリストにとって重要な情報源である。彼らは政府、企業、その他組織の内部における立場を利して、詐欺や不法投棄から犯罪共謀、さらには戦争犯罪などあらゆる問題を暴露する、重要な手掛り、証拠、そして時には「犯行現場」そのものを教えてくれる。
ジャーナリストとして大切なのは、内部告発者の動機を確認し、その情報の真偽を確かめることである。また、情報提供者としての彼らを保護する最善の方法を知っておくことも、やはり同じように不可欠だ。さいわい、内部告発に関しては豊富な情報があり、なかでも、世界各地では専門性豊かなNGOが増えつつある。
この開拓しがいのある領域に踏み込もうとするジャーナリストを支援するために、GIJNでは内部告発に関するリソースの一覧を作成した。この一覧に加えるべきグループやリソースを読者がご存知であれば、hello@gijn.orgまでご一報いただきたい。
内部告発とは、ある男性または女性が、自身が所属する組織が腐敗した、違法な、欺瞞的な、あるいは有害な活動に携わっている場合に、所属組織の利害を乗りこえ、それを公衆に告発する行為である。
- ラルフ・ネーダー、消費者運動、社会活動家
専門家によるガイダンス
内部告発者が情報を提供しようとしている場合には、特別な注意を払って対応するべきである。
GIJNは、さまざまなソースをもとに、内部告発者との協力に関するガイダンスをまとめている。これらの報告書は、本記事よりもはるかに詳細であり、通読するに値するものである。
「The Perugia Principles for Journalists(ジャーナリストのためのペルージャ原則)」には、「デジタル時代における内部告発者との付き合い方」という副題が添えられている。ジュリー・ポゼッティ、シューレット・ドレフュス博士、ナオミ・コルビンが執筆し、2019年に公開された。「ペルージャ原則」は、2018年4月、イタリアのペルージャにおいて「ブループリント・フォー・フリースピーチ」が主催した国際ジャーナリスト・専門家20人による円卓会議と連携しつつ、筆者らが策定したものである。その後筆者らは、広く調査報道ジャーナリズム、法曹界、学界との協議を経て、これを12の原則にまとめなおした。
- 何よりも、情報提供者を守る。要請がある場合には、匿名を保つ。
- 可能な限り、情報提供者が安全な方法で「初回接触(ファースト・コンタクト)」を行えるような方法を提供する。
- 内部告発者にとって、内部告発がどのような犠牲をもたらすかを認識し、記事が公開されたときにどのように対応するか、事前に十分考えておくように促す。
- 情報提供者または内部告発者の態度や意見に関する自分の見方に囚われず、もたらされた情報が公益にもたらす価値に注意して、資料を検証する。
- デジタル面での自己防衛に責任を持ち、暗号化技術を利用する。暗号化によって情報提供者を完全に守れないとしても、大切な最前線での防御になる。
- 自分と情報提供者にとって何が最大の脅威か、双方を守るためにどのような具体的措置をとる必要があるかを見極める。
- 情報提供者または内部告発者に、デジタル面での露出リスクを説明する。センシティブな内容については、内部告発者に、基本的なデジタル・セキュリティの訓練を行う。
- 記事における元データの重要性を認識し、可能な限り、また安全が保たれる限りにおいて、オリジナルの文書及び元データを完全に公開する。
- 要請があった場合には、匿名の情報提供者を守るため、倫理的・法的な、また勤務先に課された義務と整合する形で、情報提供者が提供したデータを安全に消去する。
- 匿名の情報提供者及び内部告発者のために、デジタル技術による何らかのドロップボックス(投書箱)により、高いレベルのセキュリティ及びリスクの高い資料の場合に匿名性を提供できるようにする。
- 匿名の情報提供者及び内部告発者の保護に関して、国、地域、国際レベルでの法・規制枠組みを理解する。
- 報道機関に対し、ジャーナリストの指導に向けた適切な研修及び方針と合わせ、ジャーナリスト、情報提供者、保管資料に関して報道機関が適切なデータセキュリティを提供する責任を果たすよう促す。
上記の報告書では、これらの原則を詳細に解説している。ロシア語、ギリシャ語、スペイン語及びドイツ語でも公開されている。
「10 Tips for Journalists Working with Whistleblowers(内部告発者と協力するためのジャーナリスト10の心得)」 ローワン・フィルプによる2019年の記事。ドイツ、ハンブルクで開催されたGIJC2019カンファレンスにおける発表者のメッセージをまとめている。
「Working with Whistleblowers: A Guide for Journalists(内部告発者との協力:ジャーナリストのための手引き)」 米国の2つの組織、内部告発者保護のための代表的なNPOである政府責任プロジェクト(Government Accountability Project, GAP)及び職業ジャーナリスト協会(Society of Professional Journalists)により作成された。発行は2017年。36ページからなるガイドの前書きには、「ジャーナリストが意図せずして内部告発者をさらなる報復に晒すのではなく、彼らを守れるようにすることが筆者らの願いである」と書かれている。このガイドには、以下のようなアドバイスが含まれている。
- 内部告発者に対する報復のリスクは高く、法的な状況は込み入っているため、ジャーナリスト・情報提供者双方とも、従業員である情報提供者から供給された情報に基づいて行動する前に、GAPまたは内部告発者保護法に詳しい他の弁護士と協議・調整しておくとよいだろう。
- 諜報関係者である内部告発者と協力するジャーナリストは、機密情報に基づく記事が、内部告発者の訴追につながる可能性があることを認識すべきである。
- ジャーナリストは自らの見解を記事に挿入すべきではない。戦略担当者、あるいは広報に関するアドバイスを提供する立場ではなく、また内部告発者の弁護士になることもできない。ただし、信頼を醸成し、内部告発について考察すべき独特の問題について認識を示すことにより、情報提供者を最大限保護しつつ、貴重な情報に関する報道を促すことができる。
- 従業員から深刻な不正についての情報を提供された場合、その情報の内容が人権侵害であれ、環境への脅威であれ、国家安全保障上のリスクであれ、ジャーナリストは特別な注意を払って従業員である情報提供者とコミュニケーションを図り、その従業員が、情報を開示する最善かつ最も安全な方法を選択する際にあらゆるオプションを考慮する柔軟性を失わずに済むようにするべきである。
内部告発者プロジェクトは、米ソサエティ・オブ・プロフェッショナル・ジャーナリストによるもので、安全なコミュニケーションの必要性に関する議論など、内部告発という主題に関する論文を集めたものである。
「Covering Whistleblowers: 6 Tips for Journalists(内部告発者の保護:ジャーナリストのための6つの心得)」 デニスマリー・オードウェイによる2019年の論文は、「ジャーナリスツ・リソース」に掲載された。この論文で説明されている6つの心得は、以下のとおりである。
- 内部告発者の身許について詳細を明らかにする前に、その情報を報じることの価値が、内部告発者及びその他の人々が直面する可能性のある危害を上回るか否かを検討する。
- 内部告発者が告発に踏み切った動機を重視しない。
- 内部告発者と「情報漏えい者」の違いを理解する。
- セキュアなコミュニケーションのための戦略を用意する。
- 報道の材料を提供してもらう内部告発者に適用される内部告発者保護法を詳しく知っておく。
- 内部告発について理解するために頼りになる照会先を知っておく。
「The Art of Working with Whistleblowers(内部告発者と協力する秘訣)」 この記事においてJournalism.co.ukは、英ビューロー・オブ・インヴェスティゲーティブ・ジャーナリズム(BIJ) の編集者メイリオン・ジョーンズが学んだ教訓を紹介している。「ジョーンズによれば、最も重要な措置の一つは、情報提供者の匿名性と安全性を守ることだ。匿名性・安全性が損なわれる危険性がわずかなりともあるなら、記事をまったく公開しない、あるいはかなり短縮したバージョンを公開することが望ましい」とこの記事は述べている。
「What Journalists Need to Know About Whistleblowers(内部告発者についてジャーナリストが知っておくべきこと)」 米ナショナル・ホイッスルブロワーズ・センターによるガイドである。取り上げられている主題は「法律を知る」「匿名性を守る」「内部告発者が賭けているものを知る」「諜報関係の内部告発者には独自のルールがある」「情報漏洩と内部告発の違い」の5つである。
「Protecting Sources and Whistleblowers in a Digital Age(デジタル時代における情報提供者・内部告発者の保護)」 ロンドン大学先進法律研究所情報関連法・政策センターは、2016年9月、調査報道ジャーナリスト、関連NGO及びメディア組織の代表者、メディア専門弁護士、専門研究者25人から成る専門家グループとの議論に基づく報告書を発表した。報告書は、ジャーナリスト及び報道機関に対し、以下を提言している。
- セキュアなテクノロジー、情報提供者への配慮と保護についての方針を強化する。
- 匿名を希望する情報提供者との関わり方を検証する。
- 情報提供者の保護に関して十分な研修を実施する。
UNESCOの「Protecting Journalism Sources in the Digital Age(デジタル時代におけるジャーナリズム情報提供者の保護)」は、120カ国における情報提供者保護の法体制について、充実したアドバイスと情報を提供している。
国際法曹学会(IBA) IBAは2018年、関連する法制について優れた概要を示す「WhistleblowerProtections: A Guide(内部告発者の保護:一つの指針)」を発表した。各国法についての情報を盛り込んだ付録がついている。IBAのサイトにアクセスし、「whistleblowers」で検索していただきたい。
国際組織
内部告発国際ネットワーク(Whistleblowing International Network、WIN)は、内部告発者保護の分野で活動しているNGO及び市民団体の国際的なネットワークである。スコットランドに本部を置くWINは、法律面・実務面での専門知識の共有、国内・国際レベルで内部告発への民主的な対応の醸成、世界的な内部告発者保護の能力増進の支援を目的とした会員向けプラットフォームとなっている。WINでは、世界各国の内部告発者を保護・支援する市民団体に対し、助言、ツール、専門能力を提供している。WINの「欧州連合内部告発メーター(The EU Whistleblowing Meter)」は、2019年EU指令の具体化に向けたEU諸国における国内法制定の取組みを追跡調査している。
全米内部告発者センター(National Whistleblower Center、NWC)はワシントンD.C.に本部を置くNPOで、啓発や教育、また各国別の内部告発関連法に関するオンライン・データベースなどの支援プロジェクトを主宰している。またNWCは、ジャーナリスト、言論の自由を擁護する活動家、弁護士、政府当局者と協力する小規模な国際プログラムを実施している。「The New Whistleblower’s Handbook(新版:内部告発ハンドブック)」は2019年に発行された。NWCのブログも活動中である。
政府説明責任プロジェクト(Government Accountability Project、GAP)は本部をワシントンD.C.に置き、「内部告発者を保護し、職場における言論の自由を推進し、市民活動家のエンパワーメントを進めることにより、企業・政府の説明責任を高める」ことを使命としている。同プロジェクトは、内部告発者向けのガイド、報復から身を守る心得を公開している。GAPは、公共・民間双方にわたり、1977年以来8000人を超える内部告発者を支援してきた。GAPでは、内部告発者のためのサバイバル・ガイド「Caught Between Conscience & Career: Expose Abuse Without Exposing Your Identity(良心とキャリアの板挟み:身許を明かさず不正を暴露する)」を発行している。
トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International、TI)は政府、企業、市民社会と連携し、腐敗の防止、透明性や説明責任、倫理の向上に取り組んでいる。TIは、国際事務局をベルリンに置き、世界各国に100カ所以上の支部を構えている。TIの各国支部のうち、内部告発に特に強いのは、グァテマラのアクシオン・キューダダナ(Accion Ciudadana)、トランスペアレンシー・インターナショナル・アイルランド、トランスペアレンシー・インターナショナル・ロシアの3支部である。
デジタル・ホイッスルブローウィング・ファンド(Digital Whistleblowing Fund)は、ヘルメス・センター・フォー・トランスペアレンシー・アンド・デジタル・ヒューマン・ライツ(Hermes Center for Transparency and Digital Human Rights)及びリニューアブル・フリーダム・ファウンデーション(Renewable Freedom Foundation)による小額補助金プロジェクトで、「調査報道ジャーナリズム及び草の根の人権擁護団体が、社会的な使命の一環として、セキュアなデジタル内部告発の取組みを始めるに当たって、資金、運用及び戦略面での支援を受けられるようにする」ものである。支援を受けた団体の一つがインベスティゲーティブ・レポーティング・プロジェクト・イタリー(イタリア調査報道プロジェクト、IRPI)であり、内部告発者が情報送信に使用できるセキュアなプラットフォームを設立するために補助金を利用した。
デジタルグローブ社の衛星画像は大量のロヒンギャ難民がバングラデシュに流入する様子をも明らかにしており、重大な人インターナショナル・アンチコラプション・カンファレンス(International Anti-Corruption Conference、IACC)は、政府、市民社会、民間セクターの代表者を集めたグローバル・フォーラムで、腐敗防止という課題について議論している。同カンファレンスでは、内部告発者及びそれに関連したテーマが取り上げられるのが普通である。カンファレンスは、トランスペアレンシー・インターナショナルに設置されたIACC担当チームによる運営のもと、2年に1回開催されている。
ツール
セキュアドロップは、米報道の自由財団(Freedom of the Press Foundation)が管理する内部告発者向けの情報提供システムで、あらゆるメディア組織が、匿名の情報提供者からの文書をセキュアに受け取るために利用することができる。同財団はサンフランシスコを拠点として運営され、セキュアドロップの利用に関する技術支援、研修も提供している。
グローバリークスは、内部告発者がセキュアに情報をリークでき、ジャーナリストと情報提供者がセキュアに接触できるよう、Torブラウザ経由でしかアクセスできないセキュアなプラットフォームを構築するソフトウェアを提供している。これはオープンソースによる内部告発フレームワークであり、メディア組織や活動家グループ、公的機関、企業を支援するものである。グローバリークスは、ミラノのヘルメス・センター・フォー・トランスペアレンシー・アンド・デジタル・ヒューマン・ライツが運営しており、内部告発の実践を支援するイニシアチブに向けたソフトウェア・ツールを提供している。
内部告発者のためのツール(Tools for Whistleblowers)は、ペンシルバニア州ピッツバーグに住むフリーランスの調査報道ジャーナリスト・執筆者であるマイケル・ウェアシャギンが作成したものである。ウェアシャギンはこの中で、報道機関や個人のジャーナリストが利用しているシステムをまとめている。
各国の組織
以下のリストには、内部告発を奨励する、及び/又は内部告発のためのセキュアな手段を提供している多くの非営利団体が含まれている。原則として、内部告発に関する業務を行っている法律事務所やソフトウェアを提供している企業はこのリストに掲載していないが、そうした法律事務所・企業のウェブサイトのなかには、有益な情報を含むものもある。掲載すべき候補があれば、是非hello@gijn.orgまでお寄せいただきたい。
アフリカ
全般
アフリリークスは、アフリカ地域の報道機関による連盟が運営しており、情報のリークのためのセキュアなドロップボックスを利用している。個人でも文書を送付が可能で、どの加盟報道機関が調査を行うべきか選択することができる。アフリリークスは、アフリカン・ネットワーク・オブ・センターズ・フォー・インベスティゲーティブ・レレポーティング(アフリカ調査報道センターネットワーク)ヘルメス・センター・フォー・トランスペアレンシー・アンド・デジタル・ヒューマン・ライツによる共同プロジェクトである。
プラットホーム・トゥ・プロテクト・ホイッスルブロワーズ・イン・アフリカ(アフリカ内部告発者保護プラットフォーム)は、パリに本部を置く啓発・法律グループで、2020年には国際調査報道ジャーナリスト連合に資料(電子メール、プレゼン用スライド、請求書、契約書)を提供し、これが元アンゴラ大統領の娘で富豪のイザベル・ドス・サントス氏に関する調査報道の材料となった。
南アフリカ
オープン・デモクラシー・アドバイス・センター(Open Democracy Advice Centre)は、オープンで透明性の高い民主主義の促進、企業及び政府の説明責任文化の醸成、人権に対する市民の啓発を使命としている。同センターは、透明性の促進、情報及びオープンデータへのアクセス向上を図っており、内部告発者を支援している。
欧州/ユーラシア大陸
全般
欧州内部告発者権利センター(The European Center for Whistleblower Rights)は、ベルリンに本部を置き、内部告発者への支援を提供し、啓発活動に従事している。2019年夏、季刊Whistle Wireの第1号を発行した。
また、内部告発者の保護に取り組む欧州各国のグループをまとめた以下のリスト、各国法へのリンク集も参照されたい。
南東ヨーロッパ内部告発者保護連合(The Southeast Europe Coalition on Whistleblower Protection)は、12カ国の団体が集まった連合組織である。
フィッシーリークス(Fishyleaks)は、「ファンディング・フィッシュ」による、EU水域における違法漁業活動に関する心得を集めるためのイニシアチブ「アワー・フィッシュ」キャンペーンによって創設された。
アルバニア
民主主義・ガバナンス研究センター(The Center for the Study of Democracy and Governance)は、アルバニア語で「内部告発者及び内部告発のためのガイド」を作成した。
オーストリア
ホイッスルブローウィング・オーストリア(Whistleblowing Austria)は、2011年、市民による不正・違法行為の暴露を支援する組織として発足した。
フランス
トランスペアレンシー・インターナショナル・フランス(Transparency International France)は、内部告発者が腐敗を報告できるサイトを運営している。
内部告発者の家(La Maison des Lanceurs d’Alerte)は、内部告発者に対し、その必要に応じて、司法支援、心理面やメディア対応における支援のみならず、金銭的支援も提供しているフランスの組織である。また、オンラインでのリソース提供も行っている(ガイド、連絡先、心得、法律関連情報)。
ドイツ
内部告発者ネットワーク(Whistleblower Network)は、ジャーナリストと内部告発者により2006年に創設された、ボランティア会員組織である。この協会は、状況に応じて、内部告発者、研究者、ジャーナリストに向けたアドバイス及び支援を提供している。ウェブサイトは、内部告発に関する情報提供のプラットフォームであり、毎日ニュースを更新するブログが設置されている。
ハンガリー
Kモニター・ウォッチドッグ・フォー・パブリック・ファンド(K Monitor Watchdog for Public Funds)は、ハンガリー国内及び国際的な腐敗関連事件が常に報道されることをめざして2007年に設立されたフォーラムである。この団体は、調査報道ジャーナリズムを通じた情報化社会という理念を推進しており、ウェブサイトでは、ジャーナリスト向けのデータベースだけでなく、内部告発者のためのリソースも用意されている。
アイルランド
トランスペアレンシー・インターナショナル・アイルランド(Transparency InternationalIreland)は、2004年に設立され、公共・民間双方のセクターに関して「公平な競争環境」を創出することに取り組んでいる。その使命は、教育、情報、研究を通じた人々のエンパワーメントである。TIアイルランドの「スピークアップ・セーフリー・ガイド」は、アイルランドにおける内部告発関連法に関する労働者の理解を促すことを狙ったものである。
イタリア
イルピリークスは、イタリア調査報道ジャーナリズムセンター(Italian center for investigativejournalism, IRPI)による内部告発用プラットフォームである。イルピリークスは特に、英国におけるマフィア関連の情報リークを求めている。
オランダ
ハウス・フォー・ホイッスルブローワーズは、「内部告発者に対するアドバイス及び心理社会的支援の提供、内部告発者の扱い及び社会不正に関する調査の実施、倫理違反の予防への貢献、内部告発並びに内部告発者に関する知識の提供」を行っている。
パブリークスは、オランダ国内40以上のメディア関連サイトに支援されたセキュアなプラットフォームである。設立は2013年。ヘルメス・センターが開発したソフトウェアパッケージ「グローバルリークス」をベースとしている。
ポーランド
ステファン・バトリー・ファウンデーション(Stefan Batory Foundation)は、1988年に設立されたポーランドの独立した民間財団であり、オープンで情報に基づいた民主的な社会の建設を使命としている。
ロシア
トランスペアレンシー・インターナショナル・ロシア(Transparency International Russia)は1999年に設立され、メディアを含めた市民社会を腐敗との闘いに動員し、官民双方のセクターに透明性と説明責任の原則を導入することに取り組んでいる。
セルビア
セルビア語で「ホイッスル」を意味するピスタリカ(Pistaljka)は、調査報道を行い、内部告発者による情報提供のためにセキュアなウェブサイトを設け、内部告発者に法律面での支援を提供している。
スペイン
XNETは、内部告発者の保護に関する啓発活動を行っている。また、暗号化された内部告発システムを運営している。
ウクライナ
イニシアチブ11は、ウクライナにおける内部告発者保護を追求する市民社会団体の連合である。
英国
「内部告発のための慈善団体」であるパブリック・コンサーン・アット・ワーク(Public Concern at Work, PCW)は、1993年に設立された。公益を脅かす危険や不正、深刻なリスクを阻止する、あるいは少なくとも深刻なダメージがもたらされる前に検知できるよう、内部告発が機能するように支援することを目的としている。PCWは無料の非公開アドバイス窓口を運営し、関連の組織への支援及びサービスを提供し、政策立案及び公衆教育活動に携わっている。
ホイッスラーズは、コンパッション・イン・ケア(Compassion in Care)及び調査報道ジャーナリズムセンター(Centre for Investigative Journalism)をまとめた連合団体であり、人種、宗教又は政治的立場にかかわらず、あらゆる内部告発者を保護することを意図している。内部告発者による内部告発者のための組織であり、専門家による支援とアドバイス、法律や感情面、金銭面での支援を提供している。
ラテンアメリカ/カリブ海地域
グァテマラ
アクシオン・キューダダナ(Accion Ciudadana)は1996年に設立され、2006年以降、トランスペアレンシー・インターナショナルの支部となった。グァテマラにおける透明性、倫理に取り組む市民社会団体である。
メキシコ
メキシコリークスは、アニマル・ポリティコ(Animal Politico)、エミーキス(emeequis)、マスデ131(Másde131)、ペリオディスタス・デ・ピエ(Periodistas de a Pie)、ポダー(Poder)、プロセソ(Proceso)、R3D、アレステギ・ノティシアス(Arestegui Noticias)という国内8つの組織が支援するプラットフォームである。
北米
カナダ
アンチコラプション・アンド・アカウンタビリティ・カナダ(Anti-Corruption and Accountability Canada)は、内部告発者を支援し、初回相談を無料で提供している。
米国
政府説明責任プロジェクト(Government Accountability Project, GAP)はワシントンD.C.に本部を置く非営利の公益団体で、内部告発の実践を支援している。
政府監視プロジェクト(Project On Government Oversight, POGO)は、ワシントンD.C.に本部を置く独立した監視組織で、優れた政府改革の実現に向けて、内部告発者、ジャーナリスト、政府当局者と協力している。
全米内部告発者センター(National Whistleblower Center)は、ワシントンD.C.に本部を置くNPOで、啓発や教育、内部告発に関する支援プロジェクトを主宰している。
内部告発者エイド(Whistleblower Aid)は、ワシントンD.C.の非営利法律団体である。「政府・企業による違法行為を合法的に通報する個人を支援する」としている。
内部告発者支援ファンド(The Whistleblower Support Fund)は、「有益な内部告発者に対し、戦略的なカウンセリングや心理的・専門的な支援の提供弁護士やソーシャルワーカー、キャリアカウンセラー及び/又はジャーナリストの紹介、技術的支援を提供」している。
ホイッスルブロワー・ブログ(The Whistleblower Blog)は「編集権の独立したニュース及び情報源であり、ボランティア公共サービスプロジェクトとして、コーン・コーン&コラピントLLPの出資を受けている。
非営利組織協議会(The National Council of Nonprofits)は、非営利団体に関連する内部告発ポリシーに関するリソースをまとめている。
アジア
インドネシアリークスは、情報提供者が極秘に情報を提供し、後にジャーナリストがフォローアップできる場所を提供している。
原文はこちら:Working with Whistleblowers
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