​助成金・フェローシップ一覧

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編集:​ゲイリー・プライス
翻訳:エァクレーレン

この記事はthe Global Investigative Journalism Network (GIJN)によって公開されました。日本語訳はGIJNのご支援のもと報道実務家フォーラムが公開したものです。貴重な情報を提供してくださり心より感謝申し上げます。

This story was originally published by the Global Investigative Journalism Network.
J-Forum publish the Japanese translation with GIJN’s support. 
We’re grateful to GIJN for offering and allowing to translate it into Japanese. 

​​目次

一般向けフェローシップ

 ハーバード大学の「ニーマン・フェローシップ(Nieman Fellowships)」の受給者は、ハーバード大学で1年間にわたり研究を行うことができる。また期間が12週間以内とされる「ナイト客員ニーマン・フェローシップ(Knight Visiting Nieman Fellowships)」は、何か新しい形でジャーナリズムを前進させるプロジェクトベースの取組みに与えられる。

  • 対象:ニーマン・フェローシップでは、最低5年間の実務経験が必要となる。客員フェローシップでは経験年数の下限条件がない。客員フェローシップは、ジャーナリスト、あるいは出版関係者やプログラマー、デザイナーなどジャーナリズムを支援する立場の専門家でも利用できる。さらに、「ニーマン・バークマン記念ジャーナリズム革新フェローシップ(Nieman-Berkman Fellowship in Journalism Innovation)」は、個人がハーバード大学において、ジャーナリズム分野でのイノベーションに関連する特定の研究コース又はプロジェクトに参加できる制度である。
  • 給付内容:給付金6万5000ドルの他、住宅手当、育児手当、家族の人数と年齢に基づく健康保険。客員フェローシップの場合、研究期間に応じて配分される給付金(週当たり約1600ドル)と住居の無料提供。

 スタンフォード大学の「ジョン・S・ナイト記念ジャーナリズム・フェローシップ(John S. Knight Journalism Fellowship)」を受給するジャーナリストは、1年間、革新的なプロジェクトに従事することができる。

  • 対象:最低5年の実務経験を有するジャーナリスト。
  • 給付内容:給付金8万5000ドル、書籍代、授業料、住宅手当、健康保険、出張旅費、育児手当。

 「米国ドイツジャーナリズム協会フェローシップ(American Council on Germany Journalism Fellowships)」は、ジャーナリズムにおける多文化交流の機会を提供する。

 「マックロイ記念グローバルトレンドフェローシップ(The McCloy Fellowships on Global Trends)」は、米国・ドイツのジャーナリズム、公共セクター、シンクタンク、非営利団体、法律・文化団体の専門家に対し、欧米間における最も緊急性の高いテーマの研究・評価を行い、他国のカウンターパートと交流する機会を与えている。

 「アンナ・マリア&スティーブン・M・ケレン記念フェローシップ(Anna-Maria and Stephen M. Kellen Fellowships)」は、ベルリンで活動する印刷・放送・デジタルメディアのジャーナリストに対し、渡米して、政策担当者やオピニオンリーダーにインタビューを行い、ニュース報道に関する研究を行う機会を与えている。

  • 対象:ドイツ及び米国の報道記者。
  • 給付内容:フェローシップにより異なる。

 「ハーバート・H・ハンフリー記念フェローシップ(Hubert H. Humphrey Fellowship)」は、メリーランド大学及び米国務省が主催する1年間のプログラムである。

  • 対象:米国以外のジャーナリスト。
  • 給付内容:授業料、旅費、書籍・コンピューター手当、住居手当・食費手当。

 「フルブライト・プログラム(The Fulbright Program)」は、訪米する米国及びそれ以外の教員・専門家に対し、研究・教育の機会を提供している。

  • 対象者:多種多様な学術・専門分野にわたる教員、実務経験のある専門家。一部の国のジャーナリストは、米国における研究フルブライトを受ける資格が得られる。また、米国以外の大学の教員は、教育フルブライトも利用できる。
  • 給付内容:給付の期間及び場所により異なる。

 「ナイト・ウォレス記念フェローシップ(The Knight-Wallace Fellowships)」は、ミシガン大学における1年間の研究プログラムを提供している。

  • 対象:最低5年間の実務経験を有するジャーナリスト、米国内12名、国外6名。
  • 給付内容:給付金7万5000ドル。授業料及び受講料、国際的報道ツアーのための出張費用、健康保険。

 「ロイター研究所フェローシップ・プログラム(Reuters Institute Fellowship Program)」は、ジャーナリストに対し、英オックスフォード大学における研究・思索の機会を与えている。

  • 対象:国を問わず、実務経験を有するキャリア中途のジャーナリスト。国別のフェローシップもあり、オーストラリア、オーストリア、中東諸国、ノルウェー、韓国その他の国で利用できる。
  • 給付内容:給付には、旅費(エコノミークラスの航空運賃を含む)及び若干の生活費手当が含まれている。

 「グローバル・ジャーナリズム・フェローシップ(Fellowships in Global Journalism)」は、トロント大学ムンク国際問題大学院(Munk School of Global Affairs)を通じて提供されている。

  • 対象:「世界各国の傑出した専門家、研究者、専門性を有するフリーランサー」20名。
  • 給付内容:1万カナダドル(授業料の約半分)。毎月のオンライン・ビューロー面接を通じて、プログラム後のコーチングを無料で受けられる。

 「レポーティング・アワード(Reporting Award)」は、ニューヨーク大学アーサー・L・カーター記念ジャーナリズム研究所(Arthur L. Carter Journalism Institute)が毎年提供するもので、メディアの種類を問わず、十分に報道されていない公益性を有する主題における重要なジャーナリズムの取組みを支援するものである。

  • 対象:相当の実績を有し、また十分に報道されていない、公益性を有する主題に関する、すでに進行中の報道プロジェクトに携わるジャーナリスト。そうしたプロジェクトの費用を自前で調達できる既存メディアにおけるスタッフとしての地位を有するジャーナリストは対象外。ジャーナリストの国籍は問わない。
  • 給付内容:賞金の上限は1万2500ドル。プロポーザルの受賞発表時点で2500ドル、プロジェクト完了時点でさらに最高10000ドルが与えられる。

 カリフォルニア大学バークレイ校ジャーナリズム大学院の「調査報道プログラム(Investigative Reporting Program)」は、調査報道ジャーナリズムに関する1年間のフェローシップを提供している。

  • 対象:活動中のすべての調査報道ジャーナリストを対象としている。カリフォルニア大学バークレイ校におけるジャーナリズム修士号取得者は、申請することが奨励されている。
  • 給付内容:受給者は、5万4336ドルの年俸を受取り、カリフォルニア大学の福利厚生制度すべてを利用できる。また、オフィススペース、基本経費が支給される他、承認を受けた出張のため最大1万ドルの旅費を提供される。

 「イェール・ワールド・フェローズ(Yale World Fellows)」は、キャリア半ばの専門家を対象に、イェール大学において4ヶ月間にわたり「グローバル規模の重要な問題及び学際的な研究を究明し、リーダーシップのスキルを高め、他の若手リーダーとの人脈を構築する」ことを認めるものである。

  • 対象:テクノロジー、芸術、金融、政治、ソーシャル・アントレプレナー、ジャーナリズム、啓発活動などにおける「急成長中の人物」16名。米国民以外も対象とする。
  • 給付内容:受給者に対し、旅費、住居、健康保険、生活費をカバーする給付金を提供する。またプログラムの内、教育、課外活動のコストもすべてイェール大学が負担する。

Carey Institute for Global Goodの「ローガン・ノンフィクション・プログラム(Logan Nonfiction Program)」は、長編ノンフィクションの作者を対象としている。このプログラムでは、ライター及びプロデューサーに対し、「ここで執筆しなければ公衆の目に触れることのない、最高のクオリティのノンフィクション作品を完成させる」ために、ニューヨーク市北部にある同研究所の由緒ある敷地内に最長3ヶ月滞在することを認める。

  • 対象:ノンフィクション書籍の著者、長編ジャーナリズムの記者、ドキュメンタリー制作者。
  • 給付内容:2週間から3ヶ月の住居、作業スペース及び食事が提供される。給付金はない。

 「バンフ調査報道ジャーナリズム・インテンシブ(Banff Investigative Journalism Intensive)」は、カナダのバンフ芸術・創造性センター(Banff Centre for Art and Creativity)における2週間のプログラムである。

  • 対象:調査プロジェクトに取り組んでいる、又は調査スキルの向上に関心を持つジャーナリスト及びライターに申請を呼びかけている。
  • 給付内容:住居、食事など。資金援助も可能である。

国際フェローシップ

 「欧州ジャーナリズム・フェローシップ(European Journalism Fellowships)」は、東欧・西欧及び米国のジャーナリストで、ベルリンにおいて2学期間研究に勤しむことを希望する者を対象としている。ベルリン自由大学国際ジャーナリズム・センター(International Center for Journalism)を通じて運用されている。

  • 対象:東欧・西欧・米国のジャーナリスト。
  • 給付内容:授業料、フェローシップのレベルに応じた生活費用のための給付金。

 「レジリエンス・フェローシップ(Resilience Fellowship)多国籍組織犯罪対策グローバル・イニシアチブ(The Global Initiative Against Transnational Organized Crime)が主催している。2020年のテーマは「組織犯罪に関連した失踪」だった。

  • 対象:ジャーナリズムを含むさまざまな分野の研究員10名。選考基準には、組織犯罪による影響を特に強く受けている国の出身であること、スペイン語・英語・フランス語の3言語のうち少なくとも1つに堪能であることなど、6つの条件が含まれている。
  • 給付内容:研究員1名あたり年間1万5000ドルの助成金が与えられる。研究員は10日の研修会に共に参加する。

 「ナイト国際ジャーナリズム・フェローシップ(Knight International Journalism Fellowships)」は、「ニュース報道の革新・実験の文化を世界的に浸透させるため」デジタルツールを活用するジャーナリズム指導者を対象とし、ジャーナリスト国際センター(International Center for Journalists)を通じて運用されている。

  • 対象:最低10年間の実務経験を有する記者。
  • 給付内容:生活費、旅費、健康保険、有給休暇及び謝金。

 「ワールドプレス研究所フェローシップ(World Press Institute Fellowship)」は世界中の記者に対し、3ヶ月間、米国内を回ってジャーナリズムを学ぶ機会を提供するものである。

  • 対象:米国以外で活動する米国出身以外の記者で、印刷・放送又はオンラインのジャーナリズムにおいて最低5年間フルタイムで雇用されている者。
  • 給付内容:旅費、食費及び宿泊費。

 「パースフォン・ミール記念フェローシップ(Persephone Miel Fellowship)」は、ピューリツァー危機報道センター(Pulitzer Center on Crisis Reporting)によって提供されており、記者に国境を越えて働くチャンスを与えている。

  • 対象:米国以外の記者。
  • 給付内容:最高5000ドルまでの取材コスト。

 「安倍ジャーナリスト・フェローシップ(Abe Fellowship for Journalists)」は、日本及び米国が関わる安全保障、貿易、社会問題についてのプロジェクトに取り組む記者を支援するものである。

  • 対象:最低5年間の実務経験を有する日本又は米国の記者。
  • 給付内容:給付金2万3500ドル。航空運賃1往復分を含む。

 「オープン・ソサエティ・フェローシップ(Open Society Fellowship)は、世界中の「理念のアントレプレナー」を求めている。プロジェクトの主題は、オープン・ソサエティ財団(Open Society Foundations)の関心分野、すなわち人権、政府の透明性、情報及び公正さへのアクセス、市民社会と社会的包摂の促進のうち、少なくとも二つの分野にまたがるものでなければならない。

  • 対象:ジャーナリスト、活動家、研究者、さまざまな分野の実務家。
  • 給付内容:業務経験、勤続年数、現在の所得によって8万ドル又は10万ドルの給付金及び旅費。

 「オランダ・フェローシップ・プログラム(Netherlands Fellowship Programmes)」は、さまざまな主題に関して、オランダに本部を置く研修機関ラジオ・ネーデルランド研修センター(Radio Nederland Training Centre, RNTC)が提供している。講座には、調査報道ジャーナリズム、ナラティブ・ジャーナリズム、開発のためのメディア活用などが含まれている。

  • 対象:「若手又はキャリア半ばのジャーナリスト、プログラム制作者、印刷・オンラインメディアの専門家、メディア研修担当者及びシニアマネジャー」
  • 給付内容:講座により異なる。

 Journalismfund.euには、個々の国・地域を対象とした「欧州フェローシップ及び助成金」が一覧されている。また、「文化ジャーナリストを対象とする欧州における資金支援機会の手引き(Guide To Funding Opportunities for Cultural Journalists in Europe)」も参照にしよう。芸術・文化を対象とするジャーナリストに絞ったものだが、資金提供源について役に立つ心得が紹介されている。

「アジア太平洋フェローシップ(Asia-Pacific Fellowships)」は、アジア及び環太平洋諸国のジャーナリストのためにイースト・ウェスト・センター(East-West Center)が提供するものである。「ジェファーソン・フェローシップ(Jefferson Fellowships)」、医療関係のフェローシップの他、中国・日本・韓国・パキスタン・米国のジャーナリストを対象とした交流プログラムが用意されている。

「レーガン・ファッセル記念民主主義フェローシップ(Reagan-Fascell Democracy Fellowships)」は、米連邦議会が、民主主義の課題について独立性ある研究を行うため、世界中の民主化活動家、研究者、ジャーナリストを支援するものである。受給者は5ヶ月間、ワシントンD.C.中心部にある全米民主主義基金(National Endowment for Democracy)の常勤研究者となる。

  • 対象:「民主化活動家、市民社会リーダー、人権擁護活動家、ジャーナリストその他民主主義の最前線で活動する者」
  • 給付内容:月単位の給付金、健康保険、オフィススペース、研究サポート、ワシントンD.C.までの往復旅費。家族その他の被扶養者のための金銭的支援は利用できない。

 「アルフレッド・フレンドリー記念プレス・フェローシップ(Alfred Friendly Press Fellowships)」は30年の歴史を持つプログラムで、才能ある国際的ジャーナリストを、米国の報道機関に招くものである。

  • 対象:開発途上国及び新興市場諸国からのジャーナリストを対象としている。
  • 給付内容:このフェローシップでは、プログラムに関連する国際及び米国内での旅費、健康保険の費用全般を負担し、基本的な生活費を賄う給付金を毎月提供する。

 「TRACE調査報道フェローシップ(TRACE Investigative Reporting Fellowship)」 は、TRACE財団は調査及び調査報道ジャーナリズム、民間における透明性の向上を促す出版、映像その他関連のプロジェクトを促進・支援し、汚職防止教育を推進するために設立された。6ヶ月間にわたるフェローシップ・プログラムは、アルフレッド・フレンドリー記念プレス・フェローシップ(上記参照)と連携しており、選抜された2名のジャーナリストが調査報道ジャーナリズムに関する追加研修を受けるものである。

  • 対象:ジャーナリスト。出身を問わない。
  • 給付内容:6ヶ月のプログラム期間中の生活費。

 「ダニエル・パール記念フェローシップ(Daniel Pearl Fellowship)」 6ヶ月間のフェローシップ・プログラムで、アルフレッド・フレンドリー記念プレス・フェローシップ(上記参照)と連携している。この他、本プログラムでは、The Jewish Journal of Greater Los Angeles紙編集部で1週間を過ごし、ユダヤ系の同僚と密接に協力する。

  • 対象:ムスリムが多数を占める国の国民で、3年間の実務経験を有するジャーナリスト(さらに詳しい基準は申請ページを参照)。
  • 給付内容:6ヶ月のプログラム期間中の生活費。

 「アーサー・F・バーンズ記念フェローシップ(Arthur F. Burns Fellowships)」は、米国、カナダ、ドイツの国民に、お互いの国を訪れて記事を執筆する機会を提供する。このプログラムは、米国・オーストリア間のジャーナリスト交流企画も主催しているジャーナリスト国際センターによって運営されている。

 「表現の自由アワード・フェローシップ(Freedom of Expression Award Fellowships)」は、世界的に表現の自由を擁護する運動を展開する英国の非営利団体インデックス・オン・センサーシップ(Index on Censorship)が主催している。

  • 対象:ジャーナリストを含め、表現の自由に対する脅威と戦っている個人又は組織を対象としている。
  • 給付内容:受給者は、2018年4月にロンドンで行われる研修週間の費用全般を皮切りに、12ヶ月にわたる直接支援を受けられる。

 「グーグルニュース研究所フェローシップ(Google News Lab Fellowships)」は、ジャーナリズムとテクノロジーへの関心を有する学生に対し、夏のあいだ、世界中の関連組織で働く機会を提供している。

  • 対象:米国、英国、韓国、ドイツ、オーストラリア、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、アイルランドで利用できる。
  • 給付内容:受給者は7~8月の10週間にわたるプログラム期間中、給付金と旅費を受けられる。申請の締切及び資格要件は国により異なる。

 「ゼニス報道助成金2019(Zenith Reporting Grant 2019)」は、ジャーナリズムに関する3件の本格的プロジェクトを推進している。Zenith誌、キャンディード財団(Candid Foundation)及びハーバート・カント財団(Herbert Quandt Foundation)の出身者が主催している。

  • 対象:2019年1月18日までは、以下のいずれかの国に居住し、ジャーナリストとして働く32歳以下のジャーナリストが対象となる。エジプト、サウジアラビア、イエメン、オマーン、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、イラク、ヨルダン、シリア、レバノン、イスラエル、パレスチナ、スーダン、ジブチ、ソマリア、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、カタール、モーリタニア。チームとしての申請も歓迎される。
  • 給付内容:1人あたり最高2000ユーロ。

 「水倫理ネットワーク・ジャーナリズム・ファンド(Water Integrity Network Water Integrity Journalism Fund)」は、「水関連部門における汚職に関する調査、報道、本格的調査報道の拡散をめざしている」。

  • 対象:このファンドは、世界中の調査報道ジャーナリスト、データ・ジャーナリストを対象としているが、開発途上国における報道に従事する者が優先される。フリーランス、常勤のジャーナリスト個人、少数のジャーナリストによるチームが申請できる。申請者は、最低5年間の実務経験とこれまでに記事を発表したことのある実績あるジャーナリストでなければならない。
  • 給付内容:窮迫は2000ユーロから1万2000ユーロ。旅費及び専門的支出のために使うことができるが、備品の購入には使えない。

特別フェローシップ

 「GIJNフェローシップ(GIJN Fellowships)」は、グローバル調査報道ジャーナリズムネットワーク(GJIN)のカンファレンスへの参加を可能とするものである。2019年には独ハンブルクで9月26日~29日に開催されるグローバル・カンファレンスに向けて100名以上にフェローシップが提供される。参加者はカンファレンス参加の後、自国において記事の執筆かプレゼンテーションを行わなければならない。詳細についてはGIJNニュースレターで告知される。

  • 対象:報道内容、データの発見において実績があり、開発途上国、市場経済移行国で活動している調査報道ジャーナリスト。
  • 給付内容:2年に1回、開催都市を変えて開催されるグローバル調査報道カンファレンス参加のための航空運賃及びホテル宿泊費。食費及び国内交通費は受給者の負担となる。

 「調査記者・編集者研修助成金(Investigative Reporters and Editors Training Grants)」は、職業ジャーナリスト又は学生の研修イベント参加を支援するフェローシップ、スカラシップである。

  • 対象:本制度を利用しなければIRE研修イベントに参加することのできないジャーナリスト及び学生。
  • 給付内容:通常、IREの会費1年分、カンファレンス又はセミナーへの参加費、ホテル宿泊費・旅費の立て替え分返済が含まれる。

 「MITナイト科学ジャーナリズム・プログラム(Knight Science Journalism Program at MIT)」は、科学技術に関する知識を深めることに関心を持つ記者を対象に、1学年のフェローシップを提供している。

  • 対象:最低3年間の実務経験を有するフルタイムの記者。英語能力が求められる。
  • 給付内容:7万ドル、健康保険及び調査のための出張旅費。

 「ジャーナリストのための集中科学ワークショップ(Science Immersion Workshop for Journalists)」は、ロードアイランドのメトカフ研究所(Metcalf Institute)を通じて提供される環境・科学報道に関する1週間の研修である。

  • 対象:新人~中堅のジャーナリスト。
  • 給付内容:宿泊費・食費、授業料及び500ドルを上限とする旅費支援(米国外から渡航する国際ジャーナリストについては上限1000ドル)。

 「EGU科学ジャーナリズム・フェローシップ(EGU Science Journalism Fellowships)」は、欧州地球科学連合(EGU)により「まだ一般に知られていない地球科学研究に関する報道に向けた斬新なプロポーザル」を対象として提供されている。狙いは、地球科学に関する優れた報道を促進することである。

  • 対象:現役の職業ジャーナリスト。
  • 給付内容:プロジェクト関連費用として最大5000ユーロ。

 「開発報道イノベーション助成プログラム(Innovation in Development Reporting Grant Program)」はビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援のもとで欧州ジャーナリズム・センター(European Journalism Centre)が提供している。主題はさまざまである。

  • 対象:デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、英国で活動するメディア機関及びその関連組織。
  • 給付内容:平均2万ユーロの助成金。

 「ソロス公正メディア・フェローシップ(Soros Justice Media Fellowship)」は刑事司法システムに関するプロジェクトに出資している。

  • 対象:フルタイムの記者。
  • 給付内容:5万ドル又は7万ドルの給付金、報道に要する費用及び医療手当。

 コロンビア大学ジャーナリズム大学院の「ナイト・ベイグホット記念フェローシップ(Knight-Bagehot Fellowship)」は、ビジネス及び経済ジャーナリズムにおける1学年の講座を提供している。

  • 対象:新聞、雑誌、通信社、デジタルメディア、放送報道機関に勤務するフルタイムの編集者、フリーランスのジャーナリストで、最低4年間の実務経験を有する者。
  • 給付内容:5万5000ドル及び住居費。

 「ダート・フェローシップ・プログラム(Dart Fellowship Programs)」は、コロンビア大学(ニューヨーク市)を通じて提供され、心的外傷及び紛争をテーマとする「オクバーグ・フェローシップ(Ochberg Fellowship)」を含むものである。

  • 対象:最低5年間の実務経験を有する者。

 「公共問題ジャーナリズムに関するキプリンガー・プログラム・フェローシップ(Kiplinger Program in Public Affairs Journalism Fellowships)」はオハイオ州を通じて提供されており、公的記録、データ及びソーシャルメディアの利用に関する1週間の集中研修を提供している。

  • 対象:最低5年間の実務経験を有する記者。英語能力が求められる。
  • 給付内容:旅費の給付及び食費。

 「カリフォルニア大学バークレイ校イレブンスアワー食糧・農業ジャーナリズム・フェローシップ(UC Berkeley-11th Hour Food and Farming Journalism Fellowships)」は、カリフォルニア大学バークレイ校ジャーナリズム大学院によって提供されている。農業から栄養政策、食品産業、食品及び農業に関連する公衆衛生に至るまで、食料システムに関する野心的な長編記事を求めている。米国を対象とする記事が優先されるが、米国からの視点や米国との関連性が強い国際記事も選考対象となる。

  • 対象:受給者は8名。プログラム受給者のジャーナリストとしての経験年数は平均約2から7年。全国規模の出版又は放送メディアで記事を発表・公開した経験がある。高い将来性・実力を示しているが、全国規模の編集者には十分に知られていない。
  • 給付内容:受給者1人あたり1万ドル。

 「デジタル内部告発ファンド(Digital Whistleblowing Fund)」は、ジェンダーを理由とする暴力、マイノリティ、移民、難民の権利について報道する欧州のプロジェクトを支援している。このファンドにより、セキュアなデジタル内部告発イニシアチブを開始しようとする調査報道ジャーナリストのグループ、草の根の人権擁護団体が支援を受けられる。

  • 対象:組織は、以下の連合・ネットワークのメンバーの1つに参加しているか、メンバーから明示的な保証・紹介を得る必要がある。南東欧州内部告発者保護連合、内部告発者国際ネットワーク、トランスペアレンシー・インターナショナル、調査報道ジャーナリスト国際コンソーシアム、組織犯罪・汚職報道プロジェクト。
  • 給付内容:最高3000ユーロ及び「IT及びアドバイザリー支援」

 ニューヨーク市立大学ジャーナリズム大学院「ビジネス・ジャーナリズムに関するマクグロウ・フェローシップ(McGraw Fellowship for Business Journalism)」は、ビジネス及びグローバル経済に関する本格的な報道を支援している。本フェローシップは、複雑で時間を要する記事に取り組む時間・リソースを必要としているジャーナリストに、編集・資金面での支援を提供している。このプログラムは、文章、映像、音声による本格的な作品に関する申請を受け付けており、マルチメディア・パッケージの政策に向けて複数の表現形式を活用することが推奨されている。

  • 対象:最低5年間の実務経験を有するフリーランスのジャーナリスト並びに報道機関に勤務する記者及び編集者が応募できる。報道が米国を拠点とするメディアにおいて英語で公開される限りにおいて、国際ジャーナリストにも応募資格がある。
  • 給付内容:受給者は、3ヶ月にわたり、1ヶ月5000ドルを支給される。

 「ドナルド・W・レイノルズ・ジャーナリズム研究所フェローシップ(Donald W. Reynolds Journalism Institute Fellowships)」は、「よりよいジャーナリズムを通じて民主主義を強化する革新的なプロジェクトに関して」協働するべく、個人・団体からのプロポーザルを募っている。2017~2018年に関しては、常勤フェロー、非常勤フェロー、団体という3タイプのRJIフェローシップがある。「成功するプロジェクトには、機会の活用や問題解決に向けて新しい戦略を考案する、新たな組織のために新たなツールを構築する、アイデアを市場での試練に耐えるプロトタイプへと変換する、プロトタイプを改善し投資や本格的な製品投入に結びつけるといった要素が含まれる場合が多い」。

  • 対象:米国及び外国のジャーナリストを対象としている。
  • 給付内容:常勤フェローには、8万ドルの給金及び住宅・転居手当として1回に限り1万ドルが支給される。非常勤フェローには、2万ドルの給付金に加え、研究・旅費支援が支給される。団体フェローには、その企業又は団体に2万ドルの給付金が支給され、給与の補助として、又はその他フェローシップ対象プロジェクトの成功を最大限確保する目的で使用することができる。

 環大西洋メディアネットワーク(Transatlantic Media Network)が提供する「環大西洋メディア・フェローシップ(Transatlantic Media Fellowship)」は、欧州のジャーナリスト向けに、米国を訪問して米国及び米国民に関する理解を深めるため、最長3ヶ月の客員フェローシップを用意している。フェローシップの開始・終了場所はワシントンD.C.だが、それ以外の時期は自らの関心を反映した日程に従うことができる。フェローシップには、著名大学及びジャーナリズム大学院への訪問が含まれている。

  • 対象:ジャーナリズムにおける確かなキャリア基盤を持ち、自国の有力メディアで働いている欧州のジャーナリスト。応募は随時審査される。

 ハインリッヒ・ベル財団(Heinrich Böll Stiftung)が提供する「環大西洋メディア・フェローシップ(Transatlantic Media Fellowships)」は、毎年米国及び欧州の一定数のジャーナリストを後援し、気候・エネルギー政策民主主義及び社会政策、あるいは外交及び安全保障政策といった同財団の取組みに関連する報道内容を、大西洋を越えて5日間にわたり取材させている。

  • 対象:米国のジャーナリストで、欧州連合及び/又はトルコにおける取材・報道を行うことに強いモチベーションを持つ者。EU加盟国のジャーナリストで、米国における取材・報道を行うことに強いモチベーションを持つ者。

 「ジャーナリスト・イン・レジデンス(Journalists-in-Residence)」は、シカゴ大学スクール・オブ・ビジネスのスティグラー経済国家研究センター(Stigler Center for the Study of the Economy and the State) が提供している。

  • 対象:「世界中の新進気鋭のジャーナリストで、活動するメディアの形式を問わない。(略)メディアにおいて数年の経験を有し、英語が堪能な現役のジャーナリストの応募が奨励されている」
  • 給付内容:10週間のプログラム期間中の生活費を賄う1万2000ドルの給付金。

 「休息・避難のためのスカラシップ・プログラム(The Rest and Refuge Scholarship program )」は、「ドイツ国境なき記者団(Reporters Without Borders Germany)」及びベルリンの日刊紙die tageszeitung系列の非営利団体タツ・パンター財団(taz Panter Foundation)によって運営されている。

  • 対象:危機状態、あるいは戦争状態にある国のジャーナリスト2名に「最長3ヶ月、避難と休息の時期」を過ごす資金を提供する。(例:最初のジャーナリストは2017年9月~11月、2人目は2018年3月~5月に招聘された。)

 「乳幼児成長報道フェローシップ(Early Childhood Development Reporting Fellowship)」は、ジャーナリスト国際センター及び子ども投資ファンド財団(Children’s Investment Fund Foundation)が主催する1年間のフェローシップ。

  • 対象:バングラデシュ、ブラジル、インド、ケニア、ナイジェリア、タンザニアにおいて子どもの健康及び成長を取材する、あらゆるメディアのジャーナリスト。
  • 給付内容:10名の受給者が、栄養、乳幼児の成長に関する記事を生み出すための研修、指導、資金援助を受ける。

 「移民ジャーナリズム・フェローシップ(Migration Journalism Fellowship)」は、ジャーナリスト及びメディア実務家に対する6ヶ月間のフェローシップで、中東地域における移民労働に関する質の高い報道を支援する。国際労働機関(ILO)がEthical Journalism Networkとの提携により主催している。

  • 対象:バーレーン、ヨルダン、クウェート、レバノン、アラブ首長国連邦のメディア専門家に応募資格がある。
  • 給付内容:研修プログラム及び移民労働の記事に向けた現地取材費用として1500ドルの給付金。

 「ダグラス・ツイーデイル記念フェローシップ(The Douglas Tweedale Memorial Fellowships)」 は、ジャーナリスト国際センターが主催している。

  • 対象:ラテンアメリカ諸国の独立系報道機関で働く新人及び中堅ジャーナリスト2名。
  • 給付内容:ジャーナリストの専門報道分野にフォーカスした3週間の米国滞在。ワシントンD.C.での研修プログラムに続いて、米国の英語メディア組織に2週間配属される。

 「オープンデータ・メディアキャンプ(Open Data Media Camp)」は、UNDPのモルドバ社会改革研究所(MilLab)が主催している。

  • 対象:オープンデータ、調査、監視活動に関心のある調査報道ジャーナリスト、活動家、NGO代表者、ブロガー。
  • 給付内容:6名の参加者に、1000ドルの給付金と、スロバキアへの4日間の訪問研究が提供される。

 「民主主義と開発に関するドレイパーヒルズ夏季フェローシップ(The Draper Hills Summer Fellowship on Democracy and Development)」は、民主主義、開発、法の支配にフォーカスした3週間のプログラムを実施する。

  • 対象:これからのリーダーである多種多様な中堅プロフェッショナル25~30名。ジャーナリストも含まれる。
  • 給付内容:旅費、住居費、生活費、ビザ取得費用を大学が負担する。

 「科学ジャーナリズムに関するハリー・M・デイヴィス記念ニーマン・フェローシップ(Harry M. Davis Nieman Fellowship in Science Journalism)」 2019~20年度にハーバード大学で提供されるフェローシップで、「ニューズウィーク」誌の科学エディターだったハリー・M・デイヴィス氏を顕彰するもの。ニーマン・ジャーナリズム財団(Nieman Foundation for Journalism)が運営する。

  • 対象:米国及び外国の科学ジャーナリストに応募資格がある。気候変動やテクノロジー、健康、医学、人工知能など、対象とする科学テーマが何であっても応募できる。
  • 給付内容:受給者は給付金を受けるほか、MIT及びタフツ大学を含む国内大学で受講することができる。

 「バーサ・チャレンジ(Bertha Challenge)」は、バーサ財団(Bertha Foundation)が主催する、「社会的・経済的公正及びすべての人のための人権の実現に取り組む活動家、著述家、弁護士」を支援するもの。1年間のフェローシップ・プログラムで、初年度のテーマは「土地及び住居をめぐる不公正をもたらしている資産、利益、政治はどのように関連しているか。また、どうすればこれを解消できるか」である。

  • 対象:ジャーナリスト及び活動家(各5名)。バーサ財団は、「最低5年間の実務経験と実績を有し、調査報道ジャーナリズムへの情熱を持つ中堅ジャーナリスト」を求めている。
  • 給付内容:Bertha Challenge受給者の所得1年分、ただし6万ドルを上限とする。また最終的な成果物を生み出すため、受給者1人あたり最高1万ドルのプロジェクト資金。非常勤フェローシップであり、受給者は、自ら生活・労働する国を拠点にすることになる。

 「シアトル国際財団(Seattle International Foundation)」(スペイン語へのリンク)は、中米諸国における独立系メディアのイノベーション及びセキュリティを支援するため、「独立ジャーナリズムファンド(Independent Journalism Fund)」を用意している。「関心のあるメディアは、取材、調査又はジャーナリズム関連プロジェクトの実施に向けて、テクノロジー及びイノベーションの活用を必要とするプロポーザルを提出しなければならない。自らの国・地域におけるジャーナリズムに関する革新的なアイデアを含むものとする」

  • 対象:グァテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、ベリーズ、パナマで活動する独立系メディア。合法的に設立されているか、合法的に登録された財政的支援者を持っており、補助金又は広告ガイドラインを通じて中米諸国政府からの資金を得ていないことが条件となる。
  • 給付内容:3万5000ドルを上限とするプロポーザルに補助金が給付される。ただし、増額の正当な理由があり、それに値するプロジェクトの場合には、増額の可能性が検討される。締切は2019年5月2~27日。

報道に関する助成金

 「調査報道ジャーナリズムファンド(The Fund for Investigative Journalism, FIJ)」は、個別の報道内容に関する取材及び報道に対する助成金を提供している。この種のファンドとしては最も歴史が古く、1969年に創設された。以来40年にわたり、フリーランスの記者、著述家、小規模出版社に150万ドル以上の助成金を提供し、700本以上の記事及び放送番組、書籍50点の発表を可能にしてきた。

  • 対象:米国及び国際社会の問題に関するプロジェクトについて、フリーランサー、書籍の著者、その他職業ジャーナリストからの申請を受け付けている。審査員は、新たな境地を開拓し、汚職や違法行為、権力乱用など不正を暴露する報道を求めている。申請はすべて英語で記入しなければならない。審査員会は年3回会合を開き、プロポーザルを検討している。報道内容には米国の視点が必要であり、英語で公開されなければならない。
  • 給付内容:助成金の平均金額は1件5000ドル。主として、旅費、文献収集、機材レンタルなどの自己負担費用に用いられる。少額の給付金の申請があれば考慮する。

 科学ジャーナリスト協会(SEJ)による「生物多様性報道助成金(The Society of Environmental Journalists story grants on biodiversity)」だ。SEJは、2020年の生物多様性条約締結国会議に向けて、生物多様性の問題及び世界各地のコミュニティが直面する課題に関する報道を支援することをめざしている。

  • 対象:SEJ会員は無料で申請可能。SEJの会員資格要件を満たす専門的な仕事に従事している非会員は、40ドルの手数料で申請できる。申請の際は、事前に総合ガイドラインを参照されたい。プロポーザルには、概要説明、メディアへの配信計画、資格、編集者からの推薦状、詳細な予算を含めること。
  • 給付内容: 5000ドルを上限とする給付金及び旅費、マルチメディア制作費、翻訳料などの費用。

 「欧州多国籍助成金プログラム(European Cross-border Grant Programme)」はthe Journalismfund.euが主催している。

  • 対象:複数国にまたがる取材及び欧州内の問題に関する取材について優れたアイデアを有する職業ジャーナリスト。欧州における重視対象グループに関連する報道内容であること。
  • 給付内容:旅費、翻訳、有料データベース及び取材時間に要する費用を含めることができる。オフィスの費用などの固定費、カメラやコンピューターなどへの投資、制作費用については支援しない。

 「国際女性メディア財団(International Women’s Media Foundation, IWMF)」は、ハワード・G・バフェット女性ジャーナリストファンド(Howard G. Buffet Fund for Women Journalists)を通じて、グローバルな意義がありながら報道が不足している報道内容を中心とした報道プロジェクト、職業的な成長機会への参加を支援している。

  • 対象:申請者は、実務経験のある女性ジャーナリストでなければならない。場合によっては複数のジャーナリストによるチームも申請できるが、チームのリーダーが女性ジャーナリストで、メンバーの50%以上が女性であることを要する。
  • 給付内容:IWMFは2025年までに4回の資金調達を行い、合計23万ドルの助成金を確保する予定である。助成金の平均金額は1万ドルである。年間の合計内であれば、金額や件数に制限は設けられていない。

 「タイプインベスティゲーション(TypeInvestigations)」は、調査プロジェクトを対象とする助成金を提供している。複数の財団に支えられた取組みで、以前は「調査ファンド(The Investigative Fund)」と呼ばれていた。母体となる組織はタイプ・メディア・センター(Type Media Center)である。タイプインベスティゲーションは「権力に説明責任を負わせる、インパクトの強い調査報道を育む」。

  • 対象:「私たちは独立系の調査報道記者と力を合わせ、突っ込んで取材されたジャーナリズムを生み出し、幅広い印刷・放送・デジタルメディアと提携して公開している」
  • 給付内容:「編集者は、多様なフリーランス記者に対し、編集に関する専門的ガイダンス、調査員チーム、移動や時間、その他報道に要する費用を賄う資金を提供している」

 「レナード・C・グッドマン調査報道研究所(Leonard C. Goodman Institute for Investigative Reporting)」は、進歩的な米国の雑誌In These Timesで発表される報道プロジェクトの資金となる助成金を提供している。

  • 対象:世界中のジャーナリストを対象としているが、「米国の視点のある報道内容が優先される」
  • 給付内容:市場標準の1ワードあたり報酬及び旅費その他の費用の補填。

 「ピューリツァー危機報道センター旅費助成金(Pulitzer Center on Crisis Reporting Travel Grants)」は、米国の主流メディアでは報道されていない、あるいは報道が不足している問題に重点を置き、グローバルな意義のある主題及び地域に関する報道プロジェクトに関連する国際旅費を支給している。

  • 対象:国籍を問わず、すべてのジャーナリスト、ライター、写真家、ラジオ番組プロデューサー、映像作家を対象としている。
  • 給付内容:個々のプロジェクトによるが、「ほとんどの給付は5000ドル~1万5000ドルの範囲だが、プロジェクトの詳細によってさらに高額になる場合がある」

 ピューリツァー・センターによるイニシアチブである「熱帯雨林ジャーナリズムファンド(The Rainforest Journalism Fund)」は、アマゾン川流域コンゴ川流域及び東南アジアの熱帯雨林に関する報道を支援している。

  • 対象:熱帯雨林に関する報道を行うジャーナリスト。
  • 給付内容:地域によって異なる。国際プロジェクトに対する給付は5000~1万5000ドルだが、プロジェクトの詳細によってはさらに高額になる場合がある。

 「環境ジャーナリズムファンド(Fund for Environmental Journalism)」は環境ジャーナリズム協会(Society of Environmental Journalism)を通じて提供されており、環境をめぐる問題に関する報道プロジェクト及び起業家による事業を支援している。

  • 対象:独立して、あるいは営利・非営利の報道機関のスタッフとして働く世界中のジャーナリスト。
  • 給付内容:5000ドルを上限とする助成金。

 「ダニエル・パール記念調査報道ジャーナリズム・イニシアチブ(Daniel Pearl Investigative Journalism Initiative)」は、米国のユダヤ系雑誌Momentの出資によるもので、「現代における反ユダヤ主義、あるいは別の深く根ざした偏見の表明に関する本格的な内容を執筆する若手ジャーナリストを奨励」するものである。

  • 対象:22歳から38歳までの記者。
  • 給付内容:5000ドル。

 「アラブ調査報道ジャーナリズム記者連盟(Arab Reporters for Investigative Journalism , ARIJ)」は、調査報道の内容に関するアイデアを有する中東・北アフリカ地域の記者に助成金を提供している。

  • 対象:ヨルダン、シリア、レバノン、エジプト、イエメン、イラク、パレスチナ、チュニジア、バーレーンのジャーナリスト。
  • 給付内容:案件ごとに異なる。

 「中国・アフリカ報道助成金(China-Africa Story Grants)」は、ウィットウォーターズランド大学(南アフリカ)ジャーナリズム学部の中国アフリカ報道プロジェクト(China-Africa Reporting Project)によって提供されている。

  • 対象:以下の具体的なテーマをめぐる本格的な調査報道プロジェクトのアイデアを有する職業ジャーナリスト。インフラストラクチャー/鉱業/投資/移民/ICT及びメディア/科学技術/環境・野生動物保護
  • 給付内容:300~2000ドルの助成金。

 「ニューヨーク市報道助成金(New York City Reporting Grants)」は、ニューヨーク市立大学ジャーナリズム大学院の都市報道助成金プログラム(Urban Reporting Grants Program)を通じて提供されている。(※2021年4月現在アクセス不可)

  • 対象:主要な印刷・放送・電子メディアで発表された本格的な調査報道内容を執筆・制作する能力を示すことに成功したジャーナリストによる申請が歓迎される。自社刊行物では予算面で実現困難な大型プロジェクトのための資金を求めている報道機関所属の記者・編集者にも申請資格がある。ニューヨーク市に関する本格的調査報道内容を支援している。
  • 給付内容:プロジェクトの長さ及び複雑さに応じて、5000~1万5000ドルの助成金。

 「現場の記者(Reporters in the Field)」は、ドイツのn-ostが運営するプログラムに基づく、複数国にまたがるプロジェクトのための報道助成金。(※2021年4月現在応募中止

  • 対象:報道チーム及び報道内容が、主として以下の諸国のうち少なくとも2つを基盤とするものであること。アルバニア、アンドラ、アルメニア、オーストリア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、コソボ、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア、マルタ、モルドバ、モナコ、モンテネグロ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、サンマリノ、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、英国。
  • 給付内容:8000ユーロを上限とする旅費、通信費その他取材の一環として発生した費用。

 Mongabay.orgは、環境保護に関する重要な内容を報道するための機会を提供している。2~3ヶ月ごとに新たな「特別報道イニシアチブ(Special Reporting Initiative, SRI)」が発表される。

  • 対象:英語話者である視聴者/刊行物向けに完成した作品を持つすべてのジャーナリスト。
  • 給付内容:プロジェクト1件あたり1万2000ドルの謝礼金及び3000ドルを上限として報道・移動・取材に要する費用。

 「フリーランス調査報道記者・編集者連盟(Freelance Investigative Reporters and Editors, FIRE)」は、調査報道プロジェクトに取り組むフリーランスのジャーナリストに報道助成金を提供している。

  • 対象:独立・無所属の記者。いかなる編集部、ニュースサイト、放送局にも形式的・実質的に所属していない者。記者(写真ジャーナリスト、ラジオ番組プロデューサー、動画制作者、映像作家を含む)の活動場所は問わないが、叙述は英語であることを要し、FIREは「米国の公開先に向けたプロジェクト」を優先している。
  • 給付内容:最大5名の記者に、2500~5000ドルの給付金が与えられる。費用ではなく、報道に要する時間への対価である。

 「調査報道科学ファンド(Science Fund for Investigative Reporting)」は、サイエンス(Science)誌によるもので、「調査報道及びデータ・ジャーナリズムにおける野心的プロジェクトを支援する。(略)科学界及びその実践、科学における資金及び政治の影響、科学に関連する公共政策に関して、詳細な報道・文書・データを通じてのみ明らかになる内容を伝えたい。」(※2021年4月現在応募なし・要確認

  • 対象:「インパクトの大きい報道の実績のあるジャーナリスト」 活動の拠点は問わない。
  • 給付内容:1万~1万5000ドルの助成金が年間4~5件。プロジェクトによっては、もっと少額(あるいは多額)の助成金もありうる。

 「欧州出版長期報道助成金(The European Publishers Longterm Reporting Grant)」は、欧州ジャーナリズム・センター(European Journalism Centre)が運営するメディア向け資金支援プロジェクトである。目的は、国際連合持続可能な開発目標(SDGs)からいくつかを選び、認知を向上させることである。

  • 対象:フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、英国において相当数のオーディエンスを抱えているメディア。
  • 給付内容:助成金は平均約13万ユーロである。

 「安全保障を発見する(Uncovering Security)」はトムソンロイター財団(The Thomson Reuters Foundation)がスタンレー財団(Stanley Foundation)及びゲルダ・ヘンケル財団(Gerda Henkel Stiftung)と提携して主催している。「全世界で、十分に報道されていない安全保障上の脅威及び対応に関する内容を強化することを意図した、独自のメディアスキル開発プログラム」を提供している。(※2021年4月現在応募なし・要確認

  • 対象:開発途上国又は米国、カナダ、ドイツのメディアで働くジャーナリストで、最低3年間の実務経験を有し、英語が堪能な者。
  • 給付内容:ロンドンにおける研修セッションのために必要な交通費及び生活費全般、報道に要するコストを賄う助成金もありうる。

 「多様なジャーナリストによる社会正義に関する調査報道(Social Justice Investigative Reporting for Diverse Journalists)」は、調査報道ジャーナリズムファンド(Fund for Investigative Journalism, FIJ)及びブランダイス大学シャスター調査報道ジャーナリズム研究所(Schuster Institute for Investigative Journalism)が主催するものである。

  • 対象:有色人種、女性という二つのコミュニティ出身のジャーナリストからの応募を求めている。
  • 給付内容:個々の調査内容を報道するための旅費、文書費、機器レンタル費といった費用のために1万ドルの他、小額の給付金。

 メアリー・ラフトリー・ジャーナリズム・ファンド(Mary Raftery Journalism Fund, MRJF)が主催する「難民危機メディアファンド(The Refugee Crisis Media Fund)」は、欧州における難民危機及びアイルランドにおける難民の到着・統合の影響についての調査を希望するジャーナリスト及びメディア専門家を支援するために設立された。

  • 対象:印刷、放送及び/又はオンラインでの報道プロジェクトに向けて申請を望むジャーナリスト、メディア専門家、メディア組織を対象としている。難民の出身地域からの応募、複数メディアやチームによる協働を代表した応募が特に奨励されている。
  • 給付内容:承認される応募[全体]に対して4万ユーロを上限とする予算が配分されており、応募1件あたりの上限は2万ユーロとなっている。

 グラウンドトゥルース・プロジェクト(The GroundTruth Project)の「ジェームス・W・フォーリー中東フェローシップ(The James W. Foley Middle East Fellowship)」は、主流メディアでは十分に報道されていない中東地域に関する内容を報道するためのものである。

  • 対象:実務経験年数1~5年のキャリア初期にあるジャーナリスト。候補者の国籍は問われないが、中東地域の文化に詳しく、英語話者であるオーディエンス向けに報道する能力を示さなければならない。
  • 給付内容:1万ドルの助成金の一部として、ジャーナリストは給付金と、関連リスク評価及び敵対的環境・救急研修、医療保険、現地報道経費を含む予算を受領する。一部の受給者には、グラウンドトゥルースの編集チーム全体としての指導、編集支援が提供される。

 「生物多様性報道助成金(Biodiversity Story Grants)」(※リンクは2020年応募ページを参照・随時要確認

 インターニュース(Internews)の地球ジャーナリズムネットワーク(Earth Journalism Network, EJN)は、グローバルな生物多様性に対する未報道の脅威に注目する、あるいは環境保全をベースとする新たなソリューションを解明する本格的な報道内容の制作を支援する。

  • 対象:(オンライン、印刷、テレビを問わず)ジャーナリスト及びその他のメディア実務家で、環境問題に関する報道の実績を有する者。規模の大小を問わず、あらゆるタイプのメディアのフリーランサー及びスタッフも応募することができる。
  • 給付内容:プロポーザル及び報道の方法に応じて、通常は1000ドル~2000ドルの助成金。斬新な叙述手法を用いた深い調査報道内容の場合は若干の幅がある。

 国際女性メディア財団及びザ・セキュラー・ソサエティ(The Secular Society)が主催する「女性記事報道助成金(Reporting Grants for Women’s Stories)」は、女性による女性に関するジャーナリズムを支援する。

  • 対象:これまで十分に報道されていない国際的に重要な内容を、ジェンダーに配慮した報道を通じて伝える女性ジャーナリスト。
  • 給付内容:旅費(航空運賃、陸上交通、運転手など)、ロジスティクス、ビザ取得費用、及び仲介者・通訳などへの支払いを含む報道関連費用をカバーする目的で、平均5000ドルの助成金が提供される。

 「IJ4EU:欧州委員会は欧州報道及びメディアの自由センター(European Centre for Press and Media Freedom, ECPMF)」を通じて、2018年に45万ユーロを上限とする基金を立ち上げた。EUにおける国際的な調査研究を支援するもので、国際新聞編集者協会(International Press Institute、IPI)が運営する。

  • 対象:国際的に重要度の高いテーマに関して、2つ以上のEU加盟国を本拠地とする2カ所以上のメディア支局及び/又は2名以上のジャーナリストによって構成されるチームによる応募でなくてはならない。提案されるプロジェクトは、新たな情報を明らかにすることを目的とする必要がある。
  • 給付内容:5万ユーロを上限とする助成金。応募期限:2018年5月3日。

 「資金追跡のための助成金(Money Trail Grants)」は、アフリカ、アジア、及びヨーロッパにおける国境を越えた違法な資金の流れ、税金の不正利用、及び汚職に関する調査の支援を目的とするベルギーで登記されている非営利団体Journalismfund.euが主催する。資金はオランダ国営郵便番号宝くじ(Dutch Nationale Postcode Loterij)が提供。

  • 対象:アフリカ、アジア、及び/又はヨーロッパのジャーナリストが少なくとも1名加わっている大陸間ジャーナリスト・チームが応募可能。各チームには少なくとも2つの異なる大陸からジャーナリストが参加している必要がある。
  • 給付内容:特に制限は設けられていない。3年間にわたって10回の募集が行われる。各回の総額は約5万ユーロ。2019年の応募期限は3月25日、6月25日、9月24日、12月16日。

 「ルイーズ・ビーハン報道助成金(Louise Behan Reporting Grants)」は、科学ジャーナリズムの支援を目的に世界科学ジャーナリスト連盟(World Federation of Science Journalists, WFSJ)が主催する助成金である。

  • 対象:世界銀行が定義する低所得国における科学ジャーナリストで、WFSJ研修活動に参加する者。応募招待者にはオンラインの応募フォームが送付される。
  • 給付内容:300~800カナダドル(220~600ドル)

 「勇気あるジャーナリズムのためのジャマル・カショギ賞(The Jamal Khashoggi Award for Courageous Journalism)」は、2011年にデヴィッド・マクグレイン(David McGrain)が創設したテキサス州オースティンの家族財団であるインティライミ・ファンド(Inti Raymi Fund, IRF)がスポンサーとなって新たに設けられた助成金である。(※リンクは2019年応募ページを参照・随時要確認

  • 対象:人権侵害、女性の権利、人身売買、性的搾取、汚職及び職権乱用、気候変動の影響などに関する調査報道プロジェクトに携わる35歳未満のジャーナリスト及びライター。フリーランス又は恒久的に雇用されているジャーナリスト、又は少人数のジャーナリストによるチームが応募可能。少なくとも2年間の実務経験を有することが望ましいが、未経験の応募者も選考の対象になる。
  • 給付内容:5つの調査報道プロジェクトに対し、それぞれ最大で5000ドルが提供される。交通費、資料収集費、機材レンタル代などの自己負担を補填することを想定している。

 クリーン・エネルギー・ワイヤ(Clean Energy Wire, CLEW)は「エネルギー転換報道協働推進助成金(Go collaborate! Energy transition story grant)」を主催している。CLEWはメルカトル財団(Stiftung Mercator)と欧州気候財団(European Climate Foundation)が共同で実施する取り組みである。(※2021年4月現在応募停止・随時要確認

  • 対象:「ビジネスとエネルギー転換との関係に明確に焦点を当てた」記事に取り組んでいる国際的ジャーナリストのチーム2つが選ばれる。印刷又はオンラインメディアでの調査報道ジャーナリズム及び比較報告が対象だが、他のメディアにおけるプロジェクトやマルチメディア手法をとるプロジェクトも検討する。発表はどの言語でも可。応募期限は2019年1月14日。
  • 給付内容:「2つのチームに合計7000ユーロを提供する。最終選考に残ったものは、それぞれの提案内容についてベルリンで開催される「2019年グローバルエネルギー転換ジャーナリズム会議(Global Energy Transition Journalism Conference 2019)の場でプレゼンテーションを行い、受賞者には合計3000ユーロ又は4000ユーロが提供される」

 「環境調査報道ジャーナリズム助成金(Investigative environmental journalism grants)」は、環境的に持続可能な開発を支援するグリッド・アレンダル(GRID-Arendal)というノルウェーの団体が環境犯罪に関する報道を支援するものである。

  • 対象:調査報道の分野で経験のある職業ジャーナリストが応募可能。他にも条件あり。
  • 給付内容:4名の受給者に対し、それぞれ2万5000ノルウェークローナ(約2300ユーロ)が給付される。

 「ブルーノ・フェローシップ(Bruno Fellowship)」は9カ月間にわたり、「日の目を見ることを権力者が望まない情報を発掘する」ような、影響力のある報道内容を単発又は連載の形で結実させる野心的な調査プロジェクトを1つ選んで資金提供を行う助成金である。虚偽情報、権威主義的な技術、科学を巡る競争という3つのテーマを対象とするウェブサイト「コーダ・ストーリー(Coda Story)」が主催しており、このいずれかに沿った内容のプレゼンテーションを行う必要がある。(※2021年4月現在応募停止・随時要確認)

  • 対象:世界中のキャリア初期又は中堅のジャーナリスト
  • 給付内容:16,000ドル

ドキュメンタリーの助成金

 「Docs in Progress」には、グローバル規模、米国内、米国の地域内などのレベルで組織された、数十に及ぶドキュメンタリー・プロジェクトへの支援者のリストが掲載されており、助成金応募の出発点としてお勧めである。リストは無料アカウントを作成すると閲覧可能になる。​

 「Video & Filmmaker」にも、全世界の映像作家が利用可能な30近い資金提供のソースがリストアップされている。

 「IDFAバーサ・ファンド(IDFA Bertha Fund)」は、開発途上国のドキュメンタリー・プロジェクトに資金を提供している。このオランダのファンドはこれまで16年間にわたって500以上のプロジェクトを支援してきた。ファンドのIBF ClassicとIBF Europeのカテゴリーも、映画製作者によるドキュメンタリーの作成又は編集を支援し、その国際的配信に助言を与えるものである。

  • 対象:アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、中東、及び東欧の一部の国のドキュメンタリー制作者
  • 給付内容:カテゴリーに応じて5000~4万ユーロ

 「国境なき映像作家(Filmmakers Without Borders, FWB)」は、助成金をはじめとする資金提供の枠組みを通じて全世界の独立系映像作家を支援している。支援対象のプロジェクトとしては、社会正義、エンパワーメント、文化交流などのテーマに沿ったストーリー映画、ドキュメンタリー映画、及びニューメディアのプロジェクトなどが含まれる。

  • 対象:FWBには、経験を問わずあらゆる国の映画製作者が応募できる。年間3回。
  • 給付内容:ステージにより異なる。「製作」の場合、助成金は250ドルから5,000ドルまで。

 イギリスドキュメンタリー財団「BRITDOC」は、BRITDOCサークルファンド(BRITDOC Circle Fund、欧州の映画が対象)バーサBRITDOCコネクトファンド(Bertha BRITDOC Connect Fund、全世界のドキュメンタリー制作者が対象)パルスBRITDOCジェネシスファンド(Pulse BRITDOC Genesis Fund、長編ドキュメンタリーが対象)、及びバーサBRITDOCジャーナリズムファンド(Bertha BRITDOC Fund for Journalism)など、ドキュメンタリー制作者に複数の種類の助成金を提供している。

  • 給付内容:5,000~5万ポンド

 「TFIニューメディアファンド」は、ビデオゲームから携帯アプリ、ソーシャルネットワーク、双方向ウェブサイトに格まで、複数のメディア・プラットフォームにまたがるコンテンツを備えた動画を統合する、従来の上映環境を越えたノンフィクション、社会問題メディアプロジェクトを支援している。

  • 対象:全世界のノンフィクション映像作家。外国語のプロジェクトも応募可能だが、米国のオーディエンスにとって適切な内容で、字幕を付けるなどの対応が必要。
  • 給付内容:2つから4つのプロジェクトが選ばれ、それぞれに5万~10万ドルの資金が提供される。

その他の助成金

 国際メディア支援センター(Center for International Media Assistance)が提供する「メディア開発助成金ガイド(A Guide to Media Development Grants)」では、政府及び国際機関などの支援者、NGO、民間財団に関する情報が入手できる。

 「キウィタティス(Civitates)」はヨーロッパ全土で公益に資するジャーナリズムを強化するための重要な助成金を提供している。「この基金は、受給者の運営全般のサポートや制度の強化のために複数年にわたって提供され、ヨーロッパにおける公益に資するジャーナリズム機関の耐久性と弾力性を高め、ネットワークを強化し、影響力を向上させることを目指している」 2020年6月30日まで。

 フォトグラフィア(Fotografia)誌が提供する「フォトグラファー助成金(Grants for Photographers)」は、フォトドキュメンタリー・プロジェクトのための基金をリストアップしている。(※2021年4月現在現在運営サイト停止)

 「ナイトニュース・チャレンジ(Knight News Challenge)」は、ニュース用のアプリ、デバイス、配信システム及びさまざまなトピックに関する技術的ソリューションの開発者を対象にした助成金を提供している。(※2021年4月現在応募なし・随時要確認)

  • 対象:「場所、年齢を問わない。世界中の非営利団体、営利団体、個人など、誰でも応募可能」 米国外の組織は資金面でのスポンサーが必要。
  • 給付内容:通常は20万~50万ドル

 「全米民主主義基金(National Endowment for Democracy, NED)」は、民主主義的目標達成を掲げ、説明責任と透明性の向上を目指し、民主主義的制度の強化に向けて取り組みを行っている数百のNGOに直接助成金を提供している。

  • 対象:市民団体、連合、独立メディアなどのNGO。
  • 給付内容:プロジェクトの規模と範囲に応じて給付金額は異なるが、平均して助成金期間は12カ月間で、金額は5万ドル前後である。年間4回募集。

注1:このリストは調査報道ジャーナリストに向けて作成されている。ジャーナリストやジャーナリズムを学ぶ学生一般を対象にした総合的なリストについては、IJNetにおける提携組織の「Opportunities」セクションを参照のこと(同セクションで「fellowships」で検索)。

注2:このリストは全て2021年4月9日段階の状況であり、今後も変更の恐れがあるため各自ページを確認していただきたい。

原文はこちら:Grants and Fellowships
この翻訳はGoogle News InitiativeとGoogle Asia Pacificの支援を受けて行われました。
This translation is supported by the Google News Initiative and Google Asia Pacific.
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