報道実務家フォーラムin名古屋2025 講座詳細・講師紹介
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10:30~11:50
岐阜新聞が「ホームレス」テーマに連載を手がけたきっかけとは?
岐阜新聞の連載「ホームレス、どこへ行った」は、国の統計上では「ホームレスはいない」とされている岐阜市で、生活保護の”水際作戦”が行われてきた疑いや、道の駅で車上生活をしている人たちが実際にいることを、情報公開請求や当事者への取材で浮かび上がらせました。報道を受け、市の対応は市議会で取り上げられるなどし、困窮する人たちの支援者をして「市役所が変わった」と言わしめるほど、行政を動かしています。きっかけは、取材班メンバーが事件担当の頃、外見では分かりにくいことから「見えない障害」といわれる精神疾患に関心を深めたことだと言います。警察取材での「気づき」から調査報道に結び付いた事例について、取材班のメンバーに聞きます。
講師
山田俊介(やまだ・しゅんすけ) 岐阜新聞社/報道部記者・遊軍担当
1987年岐阜市生まれ。2012年に岐阜新聞社入社。ひだ高山総局、羽島支局を経て、17年から報道部所属。岐阜市政、司法、県警担当などを経験し、現在は遊軍担当。精神疾患の当事者と向き合う「ドキュメント警察官通報」など、福祉分野の連載を手掛けてきた。社会福祉士を目指して在学中。岐阜新聞ポッドキャスト「ききかぢ」でパーソナリティーを務める。
講師
坂井萌香(さかい・もえか) 岐阜新聞社/報道部記者・写真担当
1997年生まれ。長野県出身。2020年に関西の新聞社に入社後、警察担当と写真部を経験し、23年3月に岐阜新聞社に入社。中学生のときから大好きだった書道を学ぶため、大学時代を岐阜で過ごす。「ホームレスは、どこへ行った」の取材や写真を担当する。
講師
舌間隆博(したま・たかひろ) 岐阜新聞社/報道部デスク
1978年生まれ。2002年に岐阜新聞社入社。警察・司法、スポーツ、西濃支社や遊軍、県政担当などを幅広く経験し、21年から報道部デスク。社会デスクを経て現在はスポーツデスクを務めるが、「ドキュメント警察官通報」「ホームレスは、どこへ行った」など連載企画も担当する。
13:00~14:20
取材が楽しく、楽になる!記者のためのオープンデータ活用術
毎年4月に東京で開かれる報道実務家フォーラムでは恒例となっている、『記者のためのオープンデータ活用ハンドブック』著者の熊田さんの講座です。11月に改訂版が出版されたばかりですが、それにも載っていない、国や自治体の予算を簡単に調べられる最新のツールなどを盛り込んでくれたそうです。ハードな調査報道に役立つだけでなく、普段の取材がぐっと楽になるテクニックや裏技の数々を、時間が許す限り紹介。きっといくつかは欲しかった手法が見つかると思います。
講師
熊田安伸(くまだ・やすのぶ) スローニュース/シニアコンテンツプロデューサー
1990年NHK入局。沖縄局、社会部、新潟局、仙台局、ネットワーク報道部で、経済事件系調査報道や災害前線報道、デジタル発信(政治マガジン、NHK取材ノート開発・運営)。2006年、最高裁で取材源秘匿を認める初判断を勝ち取る。NHKスペシャル「追跡 復興予算19兆円」でギャラクシー賞など。21年にスローニュースに移籍。著書『記者のためのオープンデータ活用ハンドブック』でInternet Media Awardsアクション・フォー・トラスト部門賞受賞。
14:40~16:00
「虐待冤罪」明るみに 私は「揺さぶられっ子症候群」(SBS)をこう取材した
乳幼児の頭蓋内の一定の症状から激しい揺さぶりによる虐待があったと医師に診断されてきた「揺さぶられっ子症候群(SBS)」。2017年に、診断基準の根拠が不十分だと訴える刑事弁護人らが「SBS検証プロジェクト」を立ち上げ、その結果、刑事裁判で無罪判決が続出しました。関西テレビはその当初から取材を敢行。児童虐待分野において冤罪が生まれていることをニュース・ドキュメンタリー等で広く伝えてきました。しかし、その取材過程は困難の連続でした。なかでも逮捕報道で実名を報じられた当事者のメディア不信は強く、テレビ撮影取材は難航し続けました。関西テレビは取材の壁をどう乗り越えていったのか。8年近くに及ぶ取材・報道の過程をご報告いただきます。
講師
上田大輔(うえだ・だいすけ) 関西テレビ放送/報道センター記者
1978年兵庫県生まれ。2009年関西テレビ入社、社内弁護士として法務担当。2016年から記者。取材・ディレクターを担当した番組として「ふたつの正義 検証・揺さぶられっ子症候群」(民放連賞優秀賞)、「裁かれる正義 検証・揺さぶられっ子症候群」(文化庁芸術祭優秀賞)、「引き裂かれる家族 検証・揺さぶられっ子症候群」(ギャラクシー賞選奨)、「逆転裁判官の真意」(地方の時代映像祭優秀賞)、「さまよう信念 情報源は見殺しにされた」(ギャラクシー賞奨励賞)など。
16:20~17:40
若手が端緒! 社会福祉法人が求めた知的障害者の不妊処置をめぐるスクープの舞台裏
函館支局と札幌支社のチームは、北海道の社会福祉法人が結婚を希望する知的障害者に不妊処置を求めていた実態を明らかにしました。時間をかけた調査報道は、地方支局ではハードルが高いと思われがち。でも、若手がつかんだ端緒を1年以上かけて形にし、その後もテーマを追い続けました。障害者の人権や報道の在り方とともに、若手記者やデスクとの連携の仕方などもお伝えします。
講師
船木敬太(ふなき・けいた) 共同通信社/編集局AIサイバー報道チーム次長
1978年、大阪府生まれ。毎日新聞社を経て、2008年に共同通信社に入社。社会部で厚生労働省、環境省、東京都庁を取材し、札幌編集部次長を経て現職。出生前診断や養子縁組をテーマにした連載を担当。旧優生保護法問題は2015年に当事者が人権救済を申し立てた際から継続的に取り組む。障害者不妊処置問題など「障害と恋愛・結婚・出産」をテーマにした連載や特集記事を多数執筆。
講師
下道佳織(したみち・かおり) 共同通信社/広島支局記者
福井県出身。2019年に共同通信社入社。横浜支局、函館支局を経て、22年9月から広島支局。函館支局時代にチームで障害者不妊処置問題を取材、調査報道大賞優秀賞と新聞労連第28回ジャーナリズム大賞を受賞。
タイムテーブル
10:15 開場
講座①「ホームレス」をテーマに連載を手がけたきっかけは 岐阜新聞社 山田俊介さん、坂井萌香さん、舌間隆博さん |
11:50 昼休憩(70分)
講座②取材が楽しく、楽になる!記者のためのオープンデータ活用術スローニュース 熊田安伸さん |
14:20 休憩(20分)
講座③「虐待冤罪」明るみに 私は「揺さぶられっ子症候群」(SBS)をこう取材した関西テレビ放送 上田大輔さん |
16:00 休憩(20分)
講座④若手が端緒! 社会福祉法人が求めた知的障害者の不妊処置をめぐるスクープの舞台裏共同通信社 船木敬太さん、下道佳織さん |
17:40 終了
終了後、懇親会を計画しています。所属を越えて横つながりをつくる機会にしましょう。お申し込み下さった方に別途ご案内いたします。